新型コロナウイルスの感染拡大の影響で、育成年代にサッカー環境を提供する地域のスポーツクラブが厳しい現状に立たされている。

 日本サッカー協会(JFA)には2019年度、第4種(12歳未満)で8482チーム、第3種(15歳未満)で7541チームが登録されている。地域クラブは会員の月会費が収入の大半を占めるが、コロナ禍による事業の休止で収入が得られない状況にある。自治体管理のグラウンドを使用するクラブも多く、緊急事態宣言解除後も自治体の判断次第では、すぐに活動を再開できない可能性がある。

 MF南野拓実(25)=リバプール=、DF室屋成(26)=F東京=ら日本代表も輩出したNPO法人「ゼッセル熊取アスレチッククラブ」が運営するゼッセル熊取FC(大阪・熊取町)もクラブ存続の危機に直面している。

 同クラブは約330人の会員がいるが、4月から全活動を休止中。月会費による収入がゼロになった。NPO法人のため貯蓄分も少なく、計9人分のスタッフ給与を何とかやりくりしている状況という。電話取材に応じたスタッフの村上知志(さとし)さん(48)は「このままだとスタッフの雇用ができなくなる。スタッフが減れば活動も縮小しなければならない」と危機感をにじませた。

 クラブは8日、公式ブログに「クラブ存続のための支援シャツ購入のお願い」と題したメッセージを発信。売り上げをクラブ運営費にあてるシャツの販売を始めた。発案した村上さんは「すごく悩んだが、背に腹は代えられなかった」と語る。現会員やOBなどからの支援金での事業維持を目指す。

 活動再開の見通しは立っておらず、行政やJFAが設置した「サッカーファミリー支援事業本部」などからの融資なども状況次第で検討するという。村上さんは「子供たちはスポーツから学べることが必ずある。こういった活動は絶対に続けていかないといけない」と力を込めた。(岡島 智哉)

 ◆支援Tシャツを販売

 〇…支援シャツはネット限定での販売。サイズは130センチ~XXLまで対応し、カラーは白・紺・黒の3種。価格は税込み3850円で、s‐tarui@sessel.jpから応募可能。詳細はゼッセル熊取アスレチッククラブ公式サイト、またはゼッセル熊取FC公式ブログで確認できる。

 ◆JFAの育成年代支援 JFAは新型コロナ対策として、5億円を財源とする「サッカーファミリー支援事業本部」を7日に設立した。サッカー、フットサル、ビーチサッカーのクラブが対象。法人格のあるクラブは500万円、任意団体は200万円を上限に無担保、無利子で融資する。返済は最長10年。経済的に困窮する選手を対象とした登録料の免除、相談窓口の設置、支援金口座の開設なども行う。田嶋幸三会長は「小さな町クラブから多くの悲鳴が届いている。お金が少しでも早く届くようにしたい」と話している。