コロナ禍でスポーツの様々な大会が中止となり、eスポーツで代替する動きが世界中で広がる中、さいたま市拠点のプロ自転車チームが、インターネット上のバーチャルレースで「デビュー戦」に挑んだ。延期が続く国内プロツアーに今年から参加予定の「さいたまディレーブ」の選手たちは、実際の道路でレースできる日を願い、ペダルをこいだ。

 ディレーブは、元プロ選手の長沼隆行さん(35)を中心に今年の1月に結成。JBCF(全日本実業団自転車競技連盟)が主催する自転車レース「Jプロツアー」に今年から参加を予定していた。しかし、新型コロナウイルスの感染拡大を受けツアーが延期。チームとしての開幕戦を飾れない状態が続いている。

 各自で練習を続ける選手たちに訪れたデビューの場が、室内で本物のロードバイクに乗りながらインターネット上でレースができるバーチャルライドだった。ペダルをこぐ負荷が変化する専用の機械を自転車に付け、こぐ力の差で競うことができる。

 ディレーブの運営責任者を務める長沼さんが、現役時代のチームメートらと企画し、同じプロツアーに参加する4チームによるレースが開催されることとなった。6日午前11時、参加22人の選手がそれぞれの自宅などからアクセスし、レースがスタート。各チームのYouTubeチャンネルで生配信された。各チームユニホームを着た選手が画面上で走り、視聴者は実際のレースと同じように観戦。チャンネル上のコメントで声援を送った。

 「不安はあった」と高木三千成(みちなり)選手(27)は話す。慣れないバーチャルのレース。何より、レース経験のない自分たちのチームが国内の強豪と競ることができるのかという思いがあったという。それでもディレーブの選手たちは健闘。最後の登り区間まで粘った高木選手が3位に入った。