全日本柔道連盟は15日、常務理事会を開催し、新型コロナウイルス感染拡大に伴う東京五輪の1年延期で処遇が未定となっていた、13階級の代表内定選手をそのまま来夏の五輪代表として維持する方針を固めた。代表が決まっていない男子66キロ級については今後、改めて選考会を開催する。また、9月で任期満了となる男子代表の井上康生監督(42)ら強化スタッフを五輪後の21年9月まで続投とすることも決まった。

 五輪延期決定から約2カ月。“中ぶらりん”状態が続いていた柔道の五輪代表を維持する方針がようやく固まった。コロナの影響で今後の国際柔道連盟(IJF)主催の国際大会は白紙状態。オンラインで取材に応じた中里壮也専務理事は「IJFの試合がなく国内大会もない。選考しようにも手段がないので、そのまま維持するというのが一番」と、全会一致で内定維持に至った理由を説明した。

 2月に13階級で代表選手が内定。一度“最強”の太鼓判を押した形だが、3月に新型コロナウイルス感染拡大の影響で五輪延期が決まったことで、勢力図の変化も見据え選考を見直すべきではないかとの意見も出た。

 ただ、想定外だったのが4月に全柔連内でコロナ感染者が続出したこと。4月15日開催予定の強化委員会、常務理事会が1カ月延期となり、その間に国内では緊急事態宣言が発令されるなど事態は切迫。代表取材に応じた金野潤強化委員長は「この状況でフェアな選考を行うのは厳しい。1年後を考えると、それ(維持)以外選択肢はない。監督、コーチが現内定選手で戦う自信をしっかり持っていることが(維持の)一番大きな決め手だった」と明かした。

 五輪開幕まで434日という長い準備期間で緊張感が間延びする懸念もあるが、金野委員長は「内定選手はしっかり意識を持って、厳しい状況の中で己を鍛えてくれている。自分で考える力、能動的に進んでいく力がさらに伸びてくれる可能性がある」と逆境の中での成長に期待した。遅い再出発となったが、心技体を鍛錬する時間はたっぷりある。