STAY HOME生活、みなさまいかがお過ごしでしょうか?

 自宅や自宅前でも簡単にできる運動としてボクシング元WBC世界バンタム級王者の山中慎介さんに縄跳びを勧められ、日課としてきました。運動不足のオジサンは1セット5分も続けられないので、3分が限界ですが……。

 しかし人間とは欲深いものです。ちょっと筋トレも取り入れたくなってきまして。

 これまたボクサーに聞くのが一番でしょ、と編集部とも相談しまして元WBA世界スーパーフェザー級王者の内山高志さんにアドバイスを求めることにしました。

 現役時代の内山さんの異名は“ノックアウト・ダイナマイト(KOD)”。バッタバッタとその剛腕でKOの山を築き、世界王座を11度連続防衛しました。

 引退後の2018年11月に東京・四ツ谷に「KODLABフィットネス&ボクシング」を設立し、ボディーメークを研究する日々だとか。マッチョな肉体は今なお健在。おうちでできる簡単筋トレを、リモートインタビューしました。

筋トレは毎日10分~15分。

--きょうはよろしくお願いいたします。今、ジムですか?

「そうです。緊急事態宣言の延長もあって5月31日までジムを臨時休業にしています。僕はいろいろとやらなければならないこともあるので、ジムには少しの時間いるような感じですかね」

--現役時代とそんなに体つきが変わっていないですね。その腕のモリモリ感、凄い。

「筋トレは毎日やってますけど、短いですよ。1日、10分~15分くらい。それも僕の場合は1種類しかやらないです」

--えっ、1種類だけ?

「5種類も6種類もやってしまうと1時間くらい掛かるし、毎日するとなると余計なストレスにもなってくる。きょうは腕だけ、きょうは肩だけって決めて1種類ずつやることによってストレスもなく続けられています」

おススメは「チューブトレ」。

--自宅でも簡単にできる筋トレを教えていただきたく思います。

「何がいいかなと考えてみたんですけど、チューブトレはどうかな、と」

--トレーニングに取り入れているボクサーも少なくありませんよね。

「トレーニングチューブを用意してもらう必要はありますが、通販でも購入できますし、僕も愛用しています。このチューブを使って自宅で簡単にできるおススメのトレーニングを紹介できれば。引き締まった体づくりを目指していきましょう」

上腕二頭筋を鍛える「チューブカール」

「上腕二頭筋を鍛えるトレーニング。チューブを両足で踏み、チューブを持つ両手の位置が大体、腰の高さになるように調整します。

 上腕は脇を締めて動かさず、そのままヒジだけを曲げて胸に手をつけるようにしてチューブを引き上げていきます。

 足は肩幅くらいの広さがいいと思います。もうちょっときつくやりたいと思ったら足幅を広げて踏んでチューブを引き上げる位置を低くすれば、より負荷が掛かります。逆に軽くしたいと思ったら、足幅を狭くして引き上げ位置を高くすればいい。

 そうやって微調整してください。無理をしないことが毎日続けていくコツだとは思います。

 チューブカールは現役のときもやっていました。ある程度スピードをつけて回数をこなすことで、インナーマッスルが鍛えられていきます。疲れない体にしていくためにも、遅筋を鍛えることはとても大事ですね。

 健康目的の体づくりでトレーニングする場合、回数を決めなくてもいいと思います。きつくなったなと感じたらストップして構いません。ちょっと休憩を入れながら、回数を決めないで2セット、3セットやるくらいでいいかなと思います」

二の腕のタプタプには「チューブプレスダウン」。

「上腕三頭筋を鍛えるトレーニング。分かりやすく言えば、腕の後ろ側の筋肉になります。

 こちらは自宅にある柱や棒に巻きつけ(ない方は代わりに使えるものがあればそれを使い)、前に引っ張られている両手を振り下ろしていく運動です。背筋を曲げず、ピッと立ててください。

 チューブカールと同様に脇を締めて上腕を動かさず、これもある程度スピードをつけてこなしていくことがポイントになります。きつくしたい場合はチューブを短く持つようにしてください。

 左腕だけもっと鍛えたいという場合などあるかもしれません。そういうときは両方のチューブを左手で持って運動するとかアレンジを加えることもできます。これもきついなって感じたところでストップして、インターバルを置いて再びやればいいかなと思います。

 チューブカールとは鍛える箇所が違うので、チューブプレスダウンとセットにして連続してやることもできます。トレーニングの時間を短くしたいときには、カールをやったら次はプレスダウン、その次はカールという感じで交互にやるパターンでも問題ありません」

無理は禁物「チューブサイドレイズ」。

「これは上腕のトレーニングに比べるとかなりきつくなります。肩の筋肉すなわち三角筋を鍛えます。チューブカールのようにチューブを両足で踏み、チューブを持つ両手の位置を体から離して台形のような形にします。

 そこから腕を広げて肩の位置まで引き上げていきます。背筋を伸ばし、できるだけスピードを意識して。きついと感じたら、無理は禁物です。やれる範囲でやっていきましょう。

 実際、これまでやってきたトレーニングは鉄アレイやダンベルを持ってやることもできます。

 ただ鉄アレイやダンベルを購入するとなるとお金も掛かるし、片づける場所に困ったりもします。それに正しいフォームでやらないとケガにもつながり、関節を痛めやすい。自宅で気軽に筋トレをやってみたいという程度なら、チューブトレでいいと思います」

ダイエットにも効く「チューブスクワット」。

「上半身を鍛えるトレーニングが続いたので下半身のトレーニングを1つ入れておきたいと思います。簡単に言えば、チューブを使ってのスクワット。大腿四頭筋を鍛えます。

 両足を肩幅に合わせてチューブを踏み、これもチューブを持つ両手の位置が大体、腰の高さになるように調整します。あとは腰を下ろす、上げるを反復していきます。背筋を伸ばしたまま腰を下げ、お尻を突き出すようにするのがポイントです。

 スクワットはカロリーを消費しやすい運動で、ダイエットにも効果があります。これもきついと思ったらストップして構いません。毎日続けていくことが大切になってきます。

 ここまで紹介したトレーニングを毎日すべてやっても構いませんし、たとえば上半身のトレーニングの1つとスクワットなどを組み合わせてやってみるというのもいいでしょう。通常なら3週間、早い人なら2週間で引き締まった体を少しずつ実感できるんじゃないかなと思います」

野菜ソムリエでもある元王者の食事とは?

--実践しながら説明を加えていただき、ありがとうございます。

「チューブがいいのは鉄アレイやダンベルなどと違って微調整ができること。筋トレをしたいなら女性や年配の方にも、いいとは思います。自分の筋肉と相談しながら、自分のさじ加減でやることが大切になります」

--内山さんは野菜ソムリエの資格を持っていて栄養にも詳しい。ずっと自宅にいるので太らないようにするためにどうすればいいかと思っている人も多いはず。食事の面で何かアドバイスできることがあれば。

「食事は僕も気をつけています。自宅にいて運動もあまりできていないとなるとこれまでの生活よりエネルギーを消費できていないことになる。そうなると多少なりともコントロールする必要はあるのかな、と。

 あくまで僕の場合ですけど朝はヨーグルトなど軽めにして、炭水化物を摂るならランチにしています。夜はタンパク質中心の食事で炭水化物は控えています。そして夜9時以降は、食べない。

 ただしっかりと栄養を摂っておくことは大事。一番は規則正しい生活を送り、自分なりに食事をコントロールして少しでも運動をしていけばいいとは思います」

 チューブトレと規則正しい生活。

 新型コロナをノックアウト!といきたいものですね。

(「ボクシングPRESS」二宮寿朗 = 文)