「Jリーグ歴代ベストイレブン」と題し、現在までに登録されたJリーガーで、外国籍選手は3人までという条件で、新潟の田中達也に“マイベストイレブン”を選んでもらった。浦和に2001年から12年までの12年間所属し、2003年にはナビスコカップ(現・ルヴァンカップ)MVPとニューヒーロー賞をダブル受賞、今季で新潟所属8年目になるベテランFWの“マイベストイレブン”を紹介しよう。

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 これまでに、一緒にプレーしたことがある選手から選出してみました。フォーメーションは、ダイヤモンド型の4‐4‐2。

 まずGKは、東口順昭選手を。13年に新潟でともにプレーをしましたが、当時の新潟をビッグセーブで何度も救ってくれました。俊敏性、ボールへの反応の速さは日本でトップレベルだと思います。

 右SBには、浦和所属時代に一緒にプレーをした先輩の山田暢久さん。身体能力を活かした守備力は高く、右サイドが安定します。山田さん以上の身体能力の高さのプレーヤーはあまり記憶がないですね。

 左SBは、やはり1対1の場面での守備が強い長友佑都選手を。プレーにむらがなく、常に安定したパフォーマンスを発揮しているのはひとつの才能。左サイドに置くことで、右利きだからカットインもできるし、縦への打開も可能になります。

 そして自分の中で、センターバックと言えば中澤佑二選手と田中マルクス闘莉王選手はセット。中澤選手は高さが特徴だし、スピードや強さも備えているセンターバック。鉄壁の守備を整えるうえで、欠かせない選手です。闘莉王選手高さはもちろん、フィードも高性能。セットプレーの得点の印象も強く、困ったときにチームを助けてくれました。

 ボランチは、1ボランチでレオ・シルバ選手。守備能力、特にボール奪取能力はJリーグ屈指のレベル。攻撃においてもしなやかな身のこなしでボールを前進させられる万能型プレーヤーです。中盤の守備はレオに任せて、前目の選手は攻撃に集中できるくらいです。

 サイドハーフは、右に中村俊輔選手を。言わずもがなの、日本を代表するプレーヤーのひとりですよね。タメをつくることができ、後ろには山田選手がいるので、シザースして、左足で蹴ろうと見せかけて縦に持ち出して右足でセンタリングするなど、攻撃に専念してもらおうというイメージです。セットプレーのキッカーもお任せです。

 左サイドハーフは、パスセンスが最高な中村憲剛選手。凄いタイミングでボールが出てくるし、パスの出しどころも卓越していて、自分も何度も受けさせてもらいました。中村選手のように、独特の間合いでパスを出せる選手はなかなかいないと思います。

 トップ下はポンテ選手。なかなかJリーグにはいないタイプです。ドリブルでの打開はもちろん、アシストも光るものがあるので、司令塔として決定的な仕事ができる選手です。


 2トップは、右に日本人でナンバーワンの万能フォワード高原直泰選手を。足もとの技術やヘディングの強さはもちろん、一人で局面を突破できる魅力的な選手ですね。そして左には……この企画をいただいた時点で選出は決まっていました(笑)。エメルソン選手で!! 彼以上のFWは見たことがありません。最初にプレーしたときに、そのレベルが2つも3つも上だと肌で感じました。

 監督は、ミハイロ・ペドロヴィッチ監督。浦和在籍時に1シーズンしかともに過ごしていないですが、とても指導力の高い監督です。難しい戦術も含めていろいろな経験をさせてもらいました。何より、誰にでも愛される人柄が選出理由です。僕はこれまでにいろんな監督に指導してもらっているので、選ぶのはとても悩みましたが、ミシャ(ペトロヴィッチ監督の愛称)が掲げる、観戦者を魅了するパスワークの中で、自分が選んだ技術の高いベストメンバーがどんなサッカーをするのかを見てみたいです。


 最後に、このベストイレブンの中でのマイベストプレーヤーですが、間違いなくエメルソン選手ですね。自分のサッカー人生に最も大きな影響を与えてくれたプレーヤーのひとりです。

 あれだけゴールに対して、良い意味での自己中心的なプレーができるのはすごく刺激になりました。10回のミスがあったとしても11回目も強気に要求しますし、そして11回目に決定する力、自信がある。

 それに、いかにドリブルで相手に脅威を与えるという、仕掛ける大切さも教わりました。チームメイトの頃、自分はチャンスメーカー的なポジションでしたが、エメルソンのプレーに触れて、FWという仕事やゴールへの執念という部分にフォーカスする意識が強くなりました。

<了>

田中達也
構成●サッカーダイジェスト編集部

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