いつもありがとう――。母の日の10日、陸上女子100メートル障害の寺田明日香(パソナグループ)は、長女の果緒ちゃん(5)からそんな書き出しの手紙と似顔絵をもらった。「少しウルっときた。文字がいっぱい書けるようになって、絵も上手になって、驚いた」

 コロナ禍で保育園や習い事には行けなくなったが、「おうち時間」が増えたことで、娘の成長を間近で実感する。縄跳びを40回以上跳べるようになったり、側転が上手になったり。自転車にも乗れるようになり、「はじめてのおつかい」も経験したという。

 寺田は結婚や出産、7人制ラグビーへの転向を経て、昨季6年ぶりに陸上界に復帰し、女子100メートル障害で12秒97の日本新記録を打ち立てた。勝負の世界に戻ってきたのは、「東京五輪で頑張る姿を娘に見せたい」との思いからだ。

 来春、小学生になる果緒ちゃんが書いた表彰状形式の手紙には、最後にこう書かれている。「よーいどんのおしごとがんばって、きんめだるもらってね。かおも、くもんとぷーるがんばるよ」

 成績が振るわないと「ママ、足が遅い」と機嫌を悪くする果緒ちゃん。「速いと褒めてもらえるように」。まな娘からのサプライズに、寺田は決意を新たにした。(山口裕起)