Jリーグクラブの医療支援がついに実現する。鹿島アントラーズは7日、新型コロナウイルスの感染拡大を受け、一般社団法人鹿島医師会の運営で、茨城県鹿嶋市にあるカシマスタジアムでのPCR検査を実施することを発表した。指定管理者としてスタジアムの管理および運営権を持つ鹿島は、会場提供という形で協力する。Jクラブの関連施設が初めて、医療支援に役立てられる。

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地域に根差してきた鹿島が、いち早く医療支援に立ち上がった。11日からカシマスタジアム敷地内に「鹿行地域PCR検査センター」を設置する。鹿行(ろっこう)と呼ばれる鹿島のホームタウン5市(鹿嶋市、潮来市、神栖市、行方市、鉾田市)の医療機関を受診し、新型コロナウイルス感染が疑われると判断された人の中から、潮来保健所が選定した1日上限20人を対象に、ドライブスルー形式でのPCR検査を実施する。

茨城県南東部の鹿行地域では新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、2月ごろから保健所で、域内の病院長を集めた懇談会を実施してきた。その席で「地域の医療機関の実情をふまえると、PCR検査専用の会場が必要」と意見がまとまり、4月末ごろから会場を探してきた。当初は公共施設の駐車場などで検討していたが、PCR検査センターを運営する鹿島医師会が鹿嶋市経由でクラブに相談したところ、スタジアムを会場として提供する“厚意”を受けたという。鹿行地域の中心部に位置することや、多くの人に場所が認知されていることも決め手となった。

Jリーグの村井満チェアマンは4月20日に菅官房長官と会談し、各地のクラブハウスをPCR検査会場に提供することを提案していた。スタジアムでの実施となったが、Jリーグ側も望んでいた医療支援が実現した形だ。PCR検査の実施期間は約2カ月を予定。その後はJリーグの再開時期などに応じて延長を検討していく。

鹿島の小泉文明社長(39)は「新型コロナウイルス感染症の拡大防止には、地域一体となった取り組みが大切で、PCR検査による現状の把握や医療体制の整備は終息に向けた大前提となります。センターの運営主体となる鹿島医師会様始め、鹿島アントラーズのホームタウンとなる茨城県鹿行地域の医療機関、そして鹿行5市と連携し、状況の改善につながっていけばと思います」とコメントを発表している。

◆指定管理者制度 公共の施設管理について、地方公共団体の指定を受けたものが「指定管理者」として管理を代行することができるというもの。03年9月の地方自治法改正により導入された。鹿島は06年4月からカシマスタジアムの指定管理者として、同所の運営および管理を行っている。鹿島の他、G大阪もパナスタ(吹田市所有)の指定管理者に指定されている。