4月23日発売のサッカーダイジェストでは、「Jリーグ歴代ベストイレブン」と題し、現役選手や元日本代表など総勢50名に“マイベストイレブン”を選んでもらっている。人選の条件は現在までに登録されたJリーガーで、外国籍選手は3人まで。ここでは、Jリーグ好きとして知られる、お笑いコンビ「ペナルティ」のワッキーの“マイベストイレブン”を紹介しよう。

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 長きに渡ってJリーグの第一線でプレーし、かつ日本代表でも活躍したという条件で選びました。

 チームを率いるのは岡田さん。20003年、04年はマリノスを連覇に導き、ワールドカップでも2回指揮。クラブでも代表でも結果をだした日本人監督はこの人しかいません。南アフリカ・ワールドカップの時に(中村)俊輔を外して本田(圭佑)を1トップに据え、フランス・ワールドカップではカズ(三浦知良)と北澤(豪)をメンバーから外すって……そういう英断を下すのは並の人間には無理。精神力が半端じゃない。

 GKは楢﨑です。川口能活と迷いましたが、J1通算出場数1位は偉大だし、名古屋がリーグ優勝した10年に見せていた超人的なセーブも印象的。威圧感があって、FWからしたら嫌なGKだったでしょうね。GKでは初めてリーグMVPにもなった記憶にも記録にも残る選手でした。「正剛(セイゴウ)」という名前も良いですよね。「セイゴウ……、セイゴー……、セイゴールキーパー」。まさに「正GK」になるために生まれてきた人です。

 もうひとりのJ1最多出場記録保持者であるヤットさんは絶対に外せません。外す人がいたら、文句を言いたいくらい(笑)。トリッキーなプレーはあまりしないけど、サッカーIQの塊と言えるほど、判断が的確で、今もJ1でバリバリ。今でもこの人が出場するとガンバは変わりますもんね。ギャルでも知っているのは、本田とかヒデ(中田英寿)とかかもしれないけど、これだけJリーグの“ど真ん中”に居続けている人は他にいません。しかも代表でも最多出場と文句なしです。

 ボランチの相方には小笠原を選びました。この人の勝利への執着は恐ろしい。僕は「鬼」って呼んでいるんですよ(笑)。獲得タイトル数17個ですからね。「鹿島イズム」=「小笠原イズム」と言っても過言ではないです。

 そうした記録や数字で考えると前線は大久保で決まり。リーグ最多185得点がナンバーワンの証明です。シンプルに1番点を取っているんだから、もう文句のつけようがないですよね。3年連続得点王だし、代表ではワールドカップに2回出場しているし。気性が荒いとか言われていますけど、結局どこに行っても活躍しているじゃないですか。神戸から川崎に行った時も、『(風間)八宏監督のテクニカルなサッカーに、野生児タイプの大久保が合うのか』って懐疑的な目もありましたけど、見事に覆してみせた。賢いし、技術もあるし、最強のストライカーです。

 長友はJリーグでプレーしたのは4シーズンで、「Jリーグで長く」という条件から外れますが、好き過ぎるので選出。このレベルに達したSBって他に見当たらない。小さくても世界で戦えると証明してくれた日本が誇る“努力の最高傑作”です。

 逆サイドには名良橋さん。この人は現代的な“攻撃もできるSB”の先駆者だと思う。タレント揃いの鹿島で9年間ポジションを譲らなかったというのは、驚きです。ウッチーに比べたら地味かもしれないけど、信頼度が抜群だった証拠ですよ。

 そしてなんと言っても小野、俊輔、名波が並ぶ2列目。キーワードは「天才の共演」です。俊輔はサッカーをするために生まれてきた人だと思う。風貌だけ見たらそのへんにいる浪人生みたいでしょ(笑)。それなのにFKを蹴らせたらワールドクラス。もう天才レフティの代名詞です。それにMVPに2度輝いたのはこの人しかいません。2回目の受賞の時に1回目と同じコメントを言うんですよね。「13年前と同じ言葉で締めさせていただきます」って。あの時は泣きそうになっちゃいましたよ。素敵です。


 もうひとりの左利きの天才が名波です。稀代のゲームメーカーであり、僕と同い年では断トツでサッカーが上手い人です。なにせ歴代最強と言われる02年の磐田の最重要人物ですよ。他にもスーパーなメンバーがいましたけど、やっぱりこの人が真ん中にいたからこそ、あの時の磐田があったと思います。

 あともうひとりは、「天才と言えば……」という人。日本サッカーの最高傑作じゃないですかね、小野は。この人のプレーは再現できないんですよ。俊輔と名波のプレーはかろうじて理解できるけど、小野のプレーは常人には理解できない。ステップとか身体の軌道とか『どうなってんの?』って。精鋭揃いの黄金世代がみんな口を揃えて、「小野を初めて見た時は、天狗の鼻が折れた」と言いますもんね。帝京高で不動のトップ下だった中田浩二でさえ、「伸二には敵わないから、僕はポジションはどこでもいいです」って言ったらしいですよ。世代を代表する選手たちにそう思わせるって、どれだけ凄いんだと。人間性も素晴らしいし、この人は絶対に必要ですね。そして、そんな天才3人に言いたいのはひとつだけ。「ファンタジーで僕を楽しませて」。

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PROFILE
ワッキー/1972年7月5日生まれ、北海道出身。お笑いコンビ「ペナルティ」のボケ担当。J1の年間306試合をすべて視聴するほどのJリーグファン。高校時代には千葉県の名門・市立船橋高で活躍。インターハイで全国制覇を経験し、全国選手権にも出場した。

取材・文●多田哲平(サッカーダイジェスト編集部)

※『サッカーダイジェスト』2020年5月14・28合併号より、加筆して転載。

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