日本相撲協会は4日、新型コロナウイルス感染拡大の影響で24日に初日を予定していた大相撲夏場所(両国国技館)の中止を発表した。また、7月19日初日の名古屋場所は開催場所を東京・両国国技館に変更し春場所同様、無観客開催を目指す。秋巡業も中止となった。この日、緊急事態宣言の延長を発表した政府方針に沿い決断した。本場所の中止は八百長問題で揺れた2011年春場所以来、3度目となる。

 本場所の中止はこれまで2度ある。1946年夏場所は第2次世界大戦で大打撃を受けた会場修復の遅れが理由だった。ただ、6月に大阪府で本場所と同じ形態の準場所を開催した。

 2011年春場所は、前年の野球賭博事件に関連し、現役十両力士らの八百長を証拠付けるメールが2月に発覚。調査が長期化し、史上初めて不祥事による中止となった。後に力士、親方から25人もの引退・解雇者を出す大問題に発展。全容解明、関与者の処分、再発防止策の“3点セット”が整うまで本場所再開はできないとする当時の放駒理事長(元大関魁傑)の意向で、5月場所は客席を無料開放する「技量審査場所」として、興行色を薄めて開催された。

 開催危機は何度かあり、1932年春場所(1月)では、待遇改善を求めた大量の幕内力士がストライキ。十両から力士を補充して番付を再編成し、1カ月後に開催した。45年6月は戦火が増し続ける状況から興行を自粛し、非公開の7日間興行。傷痍(しょうい)軍人や関係者らだけを招待して土俵を守り抜いた。野球賭博問題に揺れた2010年7月の名古屋場所は、大関琴光喜を解雇し、十両以上で10人の謹慎休場者を出しながら強行開催した。今年3月の春場所は、新型コロナ感染拡大の影響で史上初めて無観客で開催した。