イタリアにアルベルト・リングリアという名のサッカーカメラマンがいる。

 1966年生まれの現在54歳。1987年からセリエAの撮影をはじめ、欧州カップ戦やEURO、ワールドカップなども取材するベテランで、現在は各クラブのオフィシャル写真なども担っている。今やカルチョ屈指の写真家だ。

 日本の『ワールドサッカーダイジェスト』誌は、かれこれ20年以上に渡ってアルベルトと協力関係にある。約10年前にセリエAおよびイタリア代表の担当になった僕とは、同じミラニスタということもあってすごく気が合う。よくチャットで話をするし、僕がヨーロッパ出張した時は御飯にも行ったりする。

 アルベルトは楽天的でお馬鹿な話も大好きな典型的なイタリア人だが、一方ですごく気遣いができる男でもある。数年前に僕がミラノのサン・シーロに行った時も、わざわざ手土産まで持ってきてくれた。でも、品はなんとミランのバスローブ。日本人ではなかなかチョイスしないだろう。「イタリア人だな~」と思わず笑ってしまった。

 そんなアルベルトのベストショットと思い出コメントで、「カンピオーネ写真館」というギャラリーをワールドサッカーダイジェスト2020年4月16日号で作った。1980年代から2010年代において、セリエAを彩ったカンピオーネ(偉大な名手)を振り返ったのだ。

 アルベルトに「カンピオーネのベストショットを選んで、それぞれの思い出を教えて」と頼むと、素晴らしい写真をたくさん送ってくれた。

 ディエゴ・マラドーナ、ミシェル・プラティニ、マルコ・ファン・バステン、ルート・フリット、ローター・マテウス、ロベルト・バッジョ、パオロ・マルディーニ、ジネディーヌ・ジダン、ロナウド、カカ、ジェンナーロ・ガットゥーゾ、アレッサンドロ・デル・ピエロ、フランチェスコ・トッティ――。さすが、セリエAが「世界最強リーグ」と呼ばれた時代から活躍しているカメラマンである。

 思い出話に花を咲かせ中で、アルベルトに聞いてみた。「いろんな選手を撮ってきたと思うけど、誰が一番かっこよかった?」と。

「マラドーナ、ファン・バステン、フリット、バッジョ、ジダン、ロナウドあたりはやっぱり特別だった。独特のオーラがあったよ。親父はペレを撮ったのが自慢だって言ってたな」

 実はアルベルトの父親もカメラマン。その父がペレ、息子がマラドーナやバッジョを撮っているなんて、何とも半端ない一家である。

 アルベルトの「カンピオーネ写真館」は読者にすごく好評で、それを本人に伝えると、とても喜んでくれた。だからそのギャラリーを『サッカーダイジェストWEB』でも公開することにした。懐かしのカンピオーネたちのベストショット&アルベルトの偏愛たっぷりな思い出コメントを楽しんでほしい。

【カンピオーネ写真館】マラドーナ、バッジョ、ロナウド、ジダン…現地カメラマンのベストショット&思い出コメント

文●白鳥大知(ワールドサッカーダイジェスト編集部)