昨季のJ1リーグは歴代最多の634万9,681人の観客動員数を記録。1試合平均では2万751人と、初めて2万人の大台を突破した。歴代最多記録を樹立できた要因のひとつが、世界的スターであるアンドレス・イニエスタの存在だろう。

 イニエスタは言わずと知れた世界的プレーヤーだ。プロキャリアでは2002~18年までスペインの超名門バルセロナに在籍し、35個のタイトルを獲得。スペイン代表でも長年プレーし、欧州選手権のEUROには3度、ワールドカップには4度出場。08年と12年のEURO、10年南アフリカ・ワールドカップではチームを優勝に導いている。Jリーグ史上歴代最高クラスの助っ人と言えるだろう。

 そんなイニエスタが加入してから、ヴィッセル神戸の観客動員数はどう変化したのか。新型コロナウイルスの感染拡大の影響でリーグが中断している今、改めて、その加入の効果を振り返ってみたい。

 イニエスタが神戸に加入し、Jリーグのピッチに立ったのは18年の7月(加入が発表されたのは5月だったが、登録されたのは7月)。それから神戸は飛躍的に観客数を伸ばしている。以下は、18年シーズンのイニエスタ加入前と後のホームゲーム観客数の変化だ。

【イニエスタ加入前】
 日付  節 対戦相手 観客数
3月3日 2節 清水 24,058人
3月18日 4節 C大阪 20,108人
4月11日 7節 浦和 9,758人
4月21日 9節 名古屋 18,681人
4月28日 11節 川崎 19,847人
5月2日 12節 FC東京 9,015人
5月20日 15節 札幌 18,725人
平均:17,170人

【イニエスタ加入後】
 日付  節 対戦相手 観客数
7月22日 17節 湘南 26,146人
7月28日 18節 柏 22,879人
8月11日 21節 磐田 24,731人
8月15日 22節 広島 25,499人
8月26日 24節 横浜 25,541人
9月15日 26節 G大阪 25,485人
9月29日 28節 鹿島 23,774人
10月6日 29節 長崎 22,349人
11月10日 32節 鳥栖 26,603人
12月1日 34節 仙台 24,517人
平均:24,752人

 イニエスタの加入前と後では、1試合平均で7,582人の差で、およそ44パーセント増加率。ノエビアスタジアムの最大収容人数は29,332人で、加入前の58.5パーセントだった収容率は84.4パーセントにまで伸びた。ロシア・ワールドカップ前で平日開催が多かったというエクスキュースがあるが、それでも驚くべき数値だ。


 さらに、年度別の1試合平均入場者数の推移を見ても、大幅に観客が増加しているのが分かる。

【ヴィッセル神戸/ホームゲーム入場者数】
1997年 6,562人
1998年 7,686人
1999年 7,691人
2000年 7,511人
2001年 13,873人
2002年 10,468人
2003年 11,196人
2004年 15,736人
2005年 14,914人
2006年 6,910人
2007年 12,461人
2008年 12,981人
2009年 13,068人
2010年 12,824人
2011年 13,234人
2012年 14,639人
2013年 11,517人
2014年 15,011人
2015年 16,266人
2016年 17,018人
2017年 18,272人
2018年 21,630人 ※イニエスタ加入
2019年 21,491人
2020年 25,059人

 イニエスタが加入してから1試合平均2万人を超えている。加入1年目は歴代最多の21,630人で、年度決算ではリーグ史上最高の96,6億円を計上した。イニエスタとダビド・ビジャ、ルーカス・ポドルスキからなる「VIPトリオ」が席巻した昨年も、18年に次ぐ21,491人を記録している。

 そして、今季のリーグ開幕戦・横浜FC戦でも25,059人動員と高い数値を叩き出している。現在は無観客や、席の間隔を空けるなどで収容量を減らしての開催が検討されているが、一刻も新型コロナウイルスの事態が終息し、イニエスタのプレーに沸く大観衆を見たいものだ。

文●多田哲平(サッカーダイジェスト編集部)

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