公務員とプロボクサーの「二足のわらじ」で活動してきた新座市役所職員の渡辺宏さん(38)がプロボクサーの引退を表明した。「新座宏」のリングネームで市をアピールするなどしてきたが、今後は経験を市民の健康増進に役立てたいという。新型コロナウイルスの感染拡大による外出自粛要請が続く中、家でできるエクササイズの動画の公開も始めた。

 引退は3月下旬、ツイッターで明らかにした。昨年夏、けがなどで試合ができずに日本ランキングから外れた時点で自動的に引退は決まっていた。表明が遅れたのは、「自分の中で引退を納得させるために時間がかかった」からだ。

 芝浦工大ボクシング部出身の渡辺さんは大学院生時代にプロデビュー。1戦1勝で一度は引退して民間企業に就職後、2009年に新座市役所に転職したが、母校で練習を続けた。14年、須田健治市長(当時)に「プロでやりたいならやってみろ」と背中を押されてプロテストに再挑戦し、32歳で合格した。地方公務員法では公務員の兼業は禁じられているが、任命権者の許可があれば可能だ。