新型コロナウイルスの感染拡大に伴って、東京五輪の聖火ランナーのリレーが見送られることが、大会組織委員会で検討されている。滋賀県では5月28、29日に全19市町で計画されているが、予定走者らから落胆の声が聞かれた。

 初日に大津市内を走る市身体障害者更生会副会長の梅田道広さん(71)は「走れないとなると寂しい」と諦めきれない気持ちを口にする。1964年の前回・東京五輪は高校生で、予備トーチを持って走る副走者を務めた。今回走ることができれば、半世紀越しの悲願。「聖火リレーは伝統ある儀式。開催延期になっても走りたい思いはある」と漏らした。

 愛荘町立愛知川小学校を卒業したばかりの士野向日葵(ひまわり)さん(11)は、全国最年少走者の一人として注目される。自宅周辺を週2回ほど水を入れたペットボトルを掲げて走り備えてきた。卒業式は練習ができないまま本番を迎えるなど学校生活も翻弄(ほんろう)された。「せっかく選んでもらったのに、走れないのは悲しい」と話した。

 聖火リレー県実行委員会は沿道のボランティア確保や看板設置、ゴール地点の会場設営の準備を進めてきた。担当者は「中止になっても致し方ないとはいえ、走者やボランティアに応募してくれた人の気持ちを考えると非常に残念」と複雑な心境を明かした。(安藤仙一朗)