新型コロナウイルスの感染拡大予防で、三重県松阪市が中止した「第15回松阪シティマラソン」。開催は今回が最後だったため、ゴール後のランナーらに喜ばれてきた名物「うきさと鍋」の振る舞いも過去のものになる。今年も用意してあった具材は開催予定日だった15日、無料で配られ、長年の感謝と、コロナ禍への憂いの声が聞かれた。

 鍋は高齢化率65%に達する地区で住民協議会が運営する多目的交流施設「うきさとむら」(柚原町)が調理。過去最多だった今回の参加予定者のため、1月下旬に大根600本、ニンジン100キロ、ゴボウ90キロを乱切りし、ゆでて冷凍。開催直前に「鶏肉団子を作るだけ」にしてあった。

 しかし、2月下旬に開催中止が決定。途方に暮れた西井忍草(しのぶ)代表だったが「食品ロスを減らそう」と気を取り直し、袋詰めにして無料で配ることに。小分けしたミックス野菜は約180袋。予定時刻前に50人超が並んだ。アルコール消毒剤が置かれ、ランナー姿の人も含め、多くがマスク着用。「先が見えなくて」「明るい話がないね」とぼやく声も出た。