古代五輪発祥の地、ギリシャ・オリンピア市で12日に予定される東京五輪の聖火リレーで、姉妹都市の稲沢市は5日、中学生らの派遣中止を決めた。「オリンピアの隣町で新型コロナウイルスの感染者が確認され、拡大が懸念される」との電子メールが現地から入った。

 稲沢市は1998年長野冬季五輪と、2004年アテネ以降の夏季五輪で、聖火ランナーや伴走者として中学生をオリンピア市へ派遣してきた。今回は前回リオ五輪の2倍にあたる2年生18人が、8日から8日間の日程で加藤錠司郎市長らと訪れる予定だった。

 だが4日夜、オリンピア市の依頼を受けた日本人通訳者が「周辺の学校は休校。遺跡、博物館なども閉鎖される」と現地の状況を知らせてきた。中学生たちが日本文化を紹介するイベントも中止の可能性があると知らされ、加藤市長が「子どもたちの安全を優先する」と中学生を含む27人の派遣中止を決めた。

 稲沢市は5日夕、保護者や中学生への説明会を開き、加藤市長が「断腸の思いで中止します」と理解を求めた。この前日もギリシャ語会話を練習していたという服部優希君(14)は「行けると信じていた。ショックです。イベントなしで走るだけでもよかった」と声を振り絞った。(荻野好弘)