アテネ五輪(2004年)。アーチェリーで銀メダルを獲得した山本博さんが愛用した弓は日本製だった。しかし、その後、国内での製造はなくなり、日本製は姿を消す。「メイド・イン・ジャパン」を復活させたい--。そんな夢を描いた下町の工場の社長の思いが、国産の弓を復活させた。

 国際競技で主力選手が使う弓は、三つのパーツでできている。手で握るハンドル部分(ライザー)の上下に、「リム」という細身のスキー板の先端のような形をしたカーボン複合材を取り付ける。弦を結び、リムのしなりで矢を飛ばす。

 リムは統一規格で、メーカーは金属製のライザーの開発を競っている。だが需要は少なく、国産メーカーだったヤマハやニシザワが撤退。日本製が消えた。