スノーボードの世界的なトップ選手でありながら、平野歩夢(21)は2018年秋、スケートボードに本格参戦することを決意した。理由は明快だ。「誰も挑戦していないことにこだわり続けたい

 4歳の時、スノボとスケボーを始めた。スノボで残してきた実績は輝かしい。14年ソチ五輪のハーフパイプで銀メダルに輝くと、18年平昌五輪でも銀メダル。ただ、2大会連続で優勝を逃したことが、前例のない挑戦の呼び水になった。「悔しさを生かして、自分にしかできないことをしたい。そう思った時、そこにスケボーがあった」

 二つは似て非なるスポーツだが、小さい頃から親しんできたスケボーだけに「(五輪の)正式種目になった以上、スルーするわけにはいかない」。競技転向ではなく、めざすのはあくまで両立。夏と冬の五輪に両方出場すれば、日本勢では史上5人目となる。

 挑んでいるのは、すり鉢状のコースを滑るパーク種目。昨秋の世界選手権で17位に沈むなど、決して順調ではないが、現状を語る口調に悲壮感はない。「ここでまた、自分の成長を見つけていければっていう気持ち」。挑戦する喜びが、何よりのエネルギーだ。(吉永岳央)

 ひらの・あゆむ 1998年、新潟県出身。スノボでは世界最高峰のプロ大会「冬季Xゲームズ」を2度制覇。木下グループ所属。