! 体の不自由な人でも着やすいバリアフリーの着物や帯を発案した狛江市の鈴木富佐江さん(83)主宰の「さくら着物工房」の作品展が、30日から2月2日まで東京芸術劇場(豊島区)のアトリエで開かれる。鈴木さんは1964年のパラリンピックにボランティアとして参加。平和への願いを胸に「今年の東京オリンピックやパラリンピックを和服で盛り上げたい」という。

 鈴木さんは45年、旧満州の撫順で敗戦を迎えた。当時9歳。商社の重役だった父はその3カ月前に出征したが、「僕に召集令状が届いたら、日本はこの戦争に敗れる」と言っていたという。

 自宅は満州北部から逃れてきた避難民の収容先になった。その中の1人、鈴木さんが男だったと思っていた人は、身繕いするときれいなお姉さんになった。東京の女子大生で、夏休みに両親の元を訪れた際に敗戦となったという。幼い鈴木さんに優しくしてくれて、鈴木さんの母がチフスで倒れると、薬代を稼ぐために着物の端切れで人形を作り、闇市で売ってくれた。