! 東京・国技館で開かれている大相撲の初場所から、秋田県横手市出身の幕下、将豊竜(23)=本名・吉田将太、時津風部屋=が結びの一番後の弓取り式を務めている。弓取り力士は横綱のいる部屋か一門の幕下経験者から選ばれるのが通例。横綱鶴竜と同じ時津風一門で、巡業では昨春から経験していた将豊竜が指名され、令和になって初の交代となった。

 3日目(1月14日)のデビューは、忘れられないものとなった。鶴竜、白鵬と両横綱がともに敗れ、館内はどよめき、座布団が舞った。そんな中、将豊竜は土俵に上がり、勝ち力士に代わって行司から弓を受け取った。弓をさばく間も、興奮した一部の観客が、座布団を投げるのをやめなかった。それでも、冷静に務められた。「自分のことは誰も見ないと思えて、逆によかった。いつも通りできました」。堂々とした所作で、終盤の四股を踏む際には「よいしょ」のかけ声ももらえた。

 実は初日から務める予定だった。ところが、2日目までの取組表の「弓取式」の欄に、連絡ミスで前任の春日龍と記載され、場所途中からの出番となった。所作を教わった三段目の春日龍(35)からは「基本があった上で、その人、その人の個性ある弓取りにすればいい」との言葉を贈られた。