(12日、大相撲初場所初日)

 同学年の幕下力士と殴り合いのけんかをした幕内石浦が新年の土俵に上がった。「相撲うんぬんでなく、自覚を持って生活したい」。神妙な表情だった。初日は黒星。白鵬の露払いを務めてきた横綱土俵入りは辞退した。

 協会の基準通りなら1場所出場停止相当だった。しかし、稽古中の出来事だったことなどを考慮され、減給にとどまった。芝田山広報部長(元横綱大乃国)は「稽古は熱くないといけない。(処分を)厳しくすると、力士が萎縮してしまう」と言った。

 確かに、鍛錬のための稽古場に遠慮はいらない。しかし、今回のけんかでは拳が飛び交い、石浦はひざ蹴りもしたという。稽古の範囲を逸脱しているのは明らかで、協会理事会でも基準通りの処分を求める声が出ていた。私も、今回の処分は甘いと思う。

 今後同様の案件が起きた場合、石浦への処分は目安になるだろう。土俵上の暴力なら罪は軽くなるという、誤ったメッセージになってほしくない。力士たちが襟を正すことを祈る。(鈴木健輔)