1992年バルセロナ五輪に自転車代表として出場した鈴木裕美子さん(59)。その前の88年ソウル五輪の代表選考会では、冬夏連続の五輪出場を目指してスケートから急きょ転向した橋本聖子さんと対決した。マイナー競技だった自転車への注目度を高めた立役者の一人だ。

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 自転車との出会いは突然だった。日本大の3年生だった春、所属していたスキー部の監督に呼び止められた。「鈴木、自転車やらないか」。自転車競技とは何なのかも分からないまま、練習が始まった。84年のロサンゼルス五輪を前に、これまで男子しかなかった競技の門戸を女子にも広げようと、世間が動き始めたころだった。