アメリカンフットボールの日本選手権・プルデンシャル生命杯第73回ライスボウル(朝日新聞社など主催)は3日、東京ドームであり、社会人王者の富士通(Xリーグ)が学生王者の関西学院大(関西学生リーグ)を38―14で破り、4年連続5度目の優勝を果たした。5度目の優勝は、7度の優勝のオービックに次ぐ史上2位の優勝回数。4連覇は2011年から4年連続優勝のオービックに続いて2チーム目。社会人王者が11連勝となり、日本選手権となった1984年以降の通算成績は社会人の25勝12敗。観衆は3万1752人だった。

 富士通は第1クオーター(Q)に、WRの強、中村の2TDなどで14点を先行。その後も多彩な攻撃で得点を重ね、関学大を突き放した。最優秀選手(MVP)にはQB高木翼が選ばれた。

■富士通、助っ人に頼らず戦えるチームに

 9戦全勝で社会人を勝ち上がってきただけある。富士通は、いとも簡単に学生代表をはね返した。

 開始早々から圧倒した。第1Q、怪物と評されるRBグラントが厳しいマークにあった。すると、QB高木はパスで崩す。まずはWR強がTD。続いて、エースWR中村だ。エンドゾーン手前で中距離のパスを受けると、右腕一本をぐっと伸ばして、TDを奪った。試合の流れを決めた。

 中村は誇る。「闘志あふれるプレーで勢いをつけたいと思っていたんで。外国人に依存せずに勝ちきったのは良かった」

 アメフトの本場である米国から選手を補強して初優勝した2015年とは違う。助っ人に頼らなくても、戦えるチームに仕上がった。昨季までヘッドコーチを務めた藤田シニアアドバイザーは「年々強くなっていますね。外国人が入ってきて、日本の選手も強くなった。目の前に競争相手がいるんですから」。

 学生も憧れ、生きのいい若手が入ってくる。先発した新人WR松井は「関学史上ナンバーワンのレシーバー」と呼ばれていた。「仕事もあるけど、意識の高さは学生以上。僕も来年はもっと成長したい」。競い合う環境が、4連覇の源だ。(吉田純哉)

■退任の鳥内監督「僕自身が成長できた」

 関学大は28年間チームを率いてきた鳥内秀晃監督の最後を勝利で飾ることはできなかった。第1Qから2TDパスを決められるなど、格の違いを見せつけられた。追いかける関学大にミスや反則が頻発し、「こっちが(ミスや反則を)やっとったらあかんわな」。監督生活を終え、「ホッとした。終わってみたら、早かった。学生から毎年パワーをもらって、僕自身が成長できた」と笑顔で振り返った。