(2日、箱根駅伝)

 国学院大の浦野雄平(4年、富山商)はじりじりと追い上げたが、トップで芦ノ湖にやって来ることはできなかった。往路最終5区。先頭の青学大と1分28秒差の3位でたすきを受けると、序盤から飛ばした。「何番でたすきをもらっても1番になる」と、区間賞を獲得した昨年よりタイムを縮めたが、2位になるのが精いっぱいだった。

 前回大会でも5区を走り、1時間10分54秒の区間新記録をマークした。一躍その名を知らしめたが、「納得はしていない」。上り坂の練習をあまり積めず、途中で足がつってしまったからだ。

 今大会に向けては、9月から本格的に「山仕様」のフォームに取り組んだ。「上り坂は体のうしろ側の力が必要だと感じた」と、背中、尻、太もも裏の筋肉を重点的に強化。歴代の「山の神」の映像を何度も見返し、研究を重ねた。「今井さん、柏原さん、神野さん。みんなが同じ走り方ではないので、それぞれのいいところを盗もうと思って」。練習で自身のフォームを毎回撮影してもらい、走り込んで重ね合わせた。

 「食」にも貪欲(どんよく)だ。ネットや本で栄養素を学び、食事はカロリーなどを細かくチェック。なかでも「ハチミツ」にはこだわりを持ち、「ヨーグルトと一緒に食べると相乗効果で腸内環境を整えてくれるんです」。ハチミツ専門店まで買いに行くほどの徹底ぶりで、お気に入りはフランス産のひまわりから採れたもの。「カスタードクリームのような味わいで、箱根の前夜にも食べます。僕の勝負めし」と笑っていた。

 卒業後は富士通で陸上を続け、世界をめざす。同郷の同学年で、バスケットNBAで活躍する八村塁の存在が志を大きくしてくれた。小学生のころに野球の試合で対戦したことがあり、小学校の授業では八村の母から英語を教わったという。「本人とは話したことはないけど、縁があった。今は別世界にいる人だけど、自分も世界で活躍できる選手になりたい」

 「学生生活の集大成」として臨んだ箱根駅伝。大きな夢に向けて、天下の険を駆け上がった。