うっすらと雪で覆われた北海道別海町のランニングコースに、白い息を吐いて走る女性の姿があった。ソウル五輪の女子マラソンに出場した浅井えり子さん(60)。今は亡き指導者が残したコースを走り続け、地元の子どもたちと五輪の夢を追う。浅井さんは言う。「走ることは、生きること」

 全長2キロの別海町の町営ランニングコース。木製チップを敷き詰めた起伏に富んだこのコースが、浅井さんを五輪選手へと鍛え上げた。

 コース中央の丘に立つ石碑には、こう刻まれている。「人間の可能性は 自分自身が考えるより 限りなく無限にある」。浅井さんを指導し、夫でもあった故・佐々木功監督の言葉だ。