第99回全国高校ラグビー大会(大阪・花園ラグビー場)初日の27日、埼玉県代表の浦和が玉島(岡山)を5―0で破った。両チーム唯一のトライで得たリードを守りきり、3回目の出場で初勝利を飾った。30日の2回戦では青森山田と対戦する。

 浦和がロースコアの戦いを制した。両チームとも敵陣深くで好機をつくるが決め手を欠く。玉島が繰り返すモール攻撃に耐えた浦和は後半、徐々にペースを握る。左右に揺さぶってからのモール攻撃が効果的で、松永が左中間にトライ。その後も攻撃の手を緩めず逃げ切った。

 ボールが外に蹴り出されノーサイドの笛が響くと、浦和の選手たちは跳びはねるようにして抱き合った。県大会優勝とはひと味違う喜び。出場3回目で悲願の花園初勝利をあげた。

 修正力が生きた。前半は有利になる風上を選ぶも、得意のモールで反則が続いた。攻めきれずに無得点。「腹をくくろう。思い切ってやるしかない」という三宅邦隆監督の指示のもと、選手たち自身で作戦を練り、後半に挑んだ。

 プロップ内山星汰選手(3年)を中心にFW陣が修正点を話し合い、左右に展開して力のかかるポイントをずらすモール攻撃を決断。粘り強く何回も何回も押し込み、後半15分、両チームで唯一の得点となった貴重なトライをナンバー8の松永拓実主将(3年)が決めた。浦和らしい「自分たちで考えるラグビー」が花園でも通じると証明した瞬間だった。

 「焦りはなかった」と松永主将。春の全国選抜大会に出場し、県大会後には強豪校と練習試合を繰り返した。その経験が、思い通りの展開でなくても「これが全国だ」と落ち着いて戦える余裕を生んでいた。

 松永主将は6年前、同校が花園で戦う様子を見ていたという。「本気で文武両道できるんだ」と感じ、浦和でラグビーをやろうと決めた。そして今日、主将という立場で歴史を刻んだ。 「ここまで来られたのは偶然じゃない」松永主将はそう話す。「今までのOBの方の積み重ねで、新しい1ページを加えられました」。自信を胸に、2戦目に挑む。(宮脇稜平)