バスケットボールの第72回全国高校選手権大会(ウインターカップ=日本バスケットボール協会、朝日新聞社など主催)は26日、東京都調布市の武蔵野の森総合スポーツプラザで4日目があり、男子3回戦で能代工(秋田)が桜丘(愛知)に60―77で敗れた。

■じりじりとじらして作戦通り

 桜丘は「走るバスケ」が代名詞の名門・能代工を走らせなかった。

 長身の留学生を擁する桜丘がとったゲームプランは相手への対面守備(マンツーマンディフェンス)をせずに、ゴール下をがっちり守るゾーンディフェンスだった。能代工にボールが渡ると素早く自陣に引き相手の速攻を防ぐ。じりじりとじらして、相手に難しい姿勢で外角シュートを打たせリバウンドを拾った。

 攻めては身長2メートルのベンツロバス・ラポラス選手ら長身選手を起点に、ボールを内外に出し入れし、ゆっくり確実に得点を重ねた。江崎悟監督は「ゾーンは(5人の息を合わせるのが)難しい。ここまではまるとは思わなかった。できすぎだ」と選手をたたえた。

 昨年は超高校級のシューター富永啓生選手を中心に攻めて攻めて攻めまくるチームだった。準決勝では優勝した福岡第一を相手に、わずか2分で10点差をひっくり返す名勝負を演じた。敗れたもののネットに出回るその試合動画はいまだに再生回数が高い「伝説の試合」だ。

 次戦の相手はその福岡第一。今年の高校総体も優勝し、高校の男子バスケ界では頭一つ抜けた存在だ。富永選手が卒業した今年の桜丘にエースはいない。全員で守り、全員で得点する。そんなチーム作りの核がゾーンディフェンスだった。江崎監督は「去年よりいい試合ができれば十分」と言葉は控えめだが、本心では「今日のようなじらすバスケで相手のペースをかき乱したい」と金星を狙う。(佐々木洋輔)