来年の東京五輪・パラリンピックに向け、前橋市内で合宿中の南スーダンの陸上選手たちを支えるコーチの小渕瑞樹さん(22)は、自身も五輪出場をめざすアスリートの1人だ。男子400メートルで国内有数の実力に加え、紛争の影響で厳しい練習環境に置かれてきた南スーダンの選手たちに刺激を受けながら、ともに練習に励んでいる。

 「スタートの歩幅は大きめの意識で」「目線を下げすぎないように」。上州名物のからっ風が吹きつける中、小渕さんは選手に助言を与えながら、一緒にフォームを固める練習を繰り返した。小渕さんは今年の日本選手権男子400メートルで2位に入った実績をもち、前橋市内で週5日ある練習では100メートルや400メートル障害に出場予定の3選手の指導を担う。

 小渕さんは前橋市出身で群馬県立勢多農林高から東海大学に進み、2年時のアジアジュニア選手権で金メダルを獲得した。4年生で思うような成績を残せず、大学卒業を前に陸上を続けるかどうか迷ったが、周囲からの後押しもあり、この春、地元の「登利平アスリートクラブ」に入った。平日の午前中は本社で事務の仕事、午後からは選手として練習に向かう。