(21日、フィギュア全日本選手権・女子フリー)

 会心の出来だった。演技終了とともに、樋口新葉が思わず両手の拳を握る。「練習してきたことが十二分に発揮できた」。前半のSPは4位ながら、鮮やかな逆転で3大会ぶりの表彰台に駆け上がった。

 順調なシーズンではなかった。開幕前に左足の甲をけが。グランプリシリーズ2戦は、いずれも6位だった。ただ、このままで終わらないのが樋口の強さだった。トレーニング量を増やしたほか、食事を改善。肉体改造に取り組んだ。「白いご飯が好きなのに、それを夜食べないで練習するのが一番きつかった」

 これが奏功する。「体が軽いことでジャンプを跳びやすくなったし、体力も持つようになった」

 成果の一端が表れたのが、この日の演技後半だ。3回転フリップから3連続ジャンプを跳ぶはずが、単発に。だが、慌てない。続く3回転ルッツから軽やかに3連続ジャンプ。「良い練習ができた証拠だなって」

 誇らしい笑顔が白いリンクによく映えた。「もっと高い目標をめざすことができそう」。18歳は、ここからもっと強くなる。(吉永岳央)