21日に開催された国立競技場の完成イベントでは、午前中に室伏広治さんや野口みずきさんら五輪金メダリストとともに、男子100メートルの前日本記録保持者、桐生祥秀(日本生命)が初めて新しいトラックに足を踏み入れた。エキシビションで200メートルを軽く走った桐生。推進力を得やすい優れた反発力が特徴のトラックだったが、もともとトラックの硬さなどにこだわらない桐生は、この日も「硬さは気にしていない。それよりも、競技場の雰囲気を感じられて良かった。競技場は観客によって変わるものだから」と話した。

 同日夜には日本スポーツ振興センター主催のオープニングイベントがあり、桐生は約6万人の観衆の中で走った。レース後、「五輪の陸上のチケットは完売と聞いている。来年、また6万人の中で走りたい」と抱負を述べた。

 夜のイベントには、ラグビー日本代表のリーチ・マイケル主将やサッカー元日本代表、52歳で今なお現役のカズこと三浦知良(横浜FC)が登場。カズは「このピッチに立てることを誇りに思います。みなさんの力で新しい歴史を作りましょう」とあいさつし、サッカーボールをスタンドに蹴り込んだ。

 イベントの最後には2016年リオデジャネイロ・パラリンピックの陸上女子100、200メートルで金メダルを獲得したマールー・ファン・ライン(オランダ)や同大会日本代表の高桑早生(さき)(NTT東日本)らパラアスリートと男子100、200メートルの世界記録保持者ウサイン・ボルトさん(ジャマイカ)や桐生がチームを組んでリレーに参加。走り終えたボルトさんは「素晴らしい競技場。来年、私がここで走ることはないが、日本のみなさんの声援の中でいい記録が出ると信じている」と語った。