関東大学1部リーグTOP8所属の法政大学トマホークスの新監督に1991年度主将の安田秀一氏が就任することが9月3日、明らかになった。

青木均前監督が7月に大学から解任されたのを受けて、菅原伸一郎氏が監督代行を務めていたが、8月下旬に行われたOB会が満場一致で安田氏を新監督に推薦。9月3日現在、肩書は監督代行となっているが、大学への報告はすでになされており、大学の承認を持って正式に監督に就任する運びになっている。

安田氏は法政大学卒業後、商社勤務を経て1996年にスポーツ用品の販売、製造を手掛ける株式会社ドームを創業。同社は1998年、まだ創業間もなかった米国スポーツブランド『アンダーアーマー』の日本総代理店を務めて共に急成長を遂げた。

現在は日本のスポーツの構造改革、スポーツを通じた文化、社会の活性化という大きなテーマに取り組んでいる。

その一つが大学スポーツの活性化だ。

大学スポーツの活性化を図ることで収益を上げ、その収益を教育の原資とするサイクルを生み出すというのが基本コンセプトだが、それを実現させるには、大学チームを法的に自立した団体にする必要がある。

現在の大学スポーツは、多くの場合が大学内の任意団体として活動しており、法人格を持っていない。ここで一番の問題となるのは、チームの運営費を管理する銀行口座を、チーム名義ではなく個人名義(多くの場合は代表者=監督名義)でしか作れないことだ。年間にすれば数千万単位の資金を管理しなければならない口座が、監督の個人名義でしか作れないというのは、何かと問題が起こる土壌となってしまう。さらに言えば、税法上、チームとしての経済活動が正当にできないことも問題になる。

また、指導者が正当な報酬を受けずにボランティア待遇であることも多い一方で、重大事故等のアクシデントが起こった場合には実質的に全責任を負わなければならない大きなリスクが常に付きまとう。

企業として、これまでもこうした問題と向き合ってきた安田氏だが、監督という立場になって見て初めて見えたことも多くあったという。

「就任してまだ6日にも関わらず、実際に監督になってみなければわからなかった解決しなければならない細かな問題がたくさんあることが分かった。半年ぐらいの間にしっかり解決していきたい」

1998年にNFLヨーロッパでコーチ経験を積むなど、戦術家としても高い能力を持つ安田氏だが、今回の監督就任は、健全な大学スポーツチームとしてのロールモデル作りが主な仕事になりそうだ。