男子プロゴルフツアーの今季最終戦、日本シリーズJTカップは5日から4日間、東京・稲城市の東京よみうりカントリークラブ(CC、7023ヤード、パー70)で行われる。2年連続11度目の出場となる石川遼選手会長(28)=カシオ=が開幕を前に、スポーツ報知の単独インタビューに応じた。来年8月の東京五輪代表入りに向けて「目標は高く持って、良い終わり方」を目指す考えなどを明かした。(聞き手・榎本 友一)

 いよいよ19年国内男女ツアーの最終戦が始まる。渋野日向子が8月にAIG全英女子オープンで2人目のメジャー制覇を達成するなど、ゴルフ界が沸いた令和元年の締めくくりを前に、石川が決意を語った。

 「来年に向けて、というのが自分の中では大きくて。東京五輪へ、可能性がある限りは目指してやっていきたい。自分のゴルフを高めていきたい思いしかない。目標は高く持って、良い終わり方をすれば充実感も得られると思うので頑張りたい」

 日本シリーズは前回の東京五輪の前年、1963年に創設された。同じく20年東京五輪前年に迎えるシーズン最終戦の位置づけをどう考えているのだろうか。

 「あと半年くらいで(五輪の日本代表)選手も決まりますし、非常に厳しい戦いですけど、出場に関しては最後まであきらめたくないな、と思います。とにかく自分のできる、一番良いゴルフを続けていくことしかできない。五輪にはもっともっと近づいていけるように頑張っていきたい」

 昨年大会は「賞金ランク上位」の資格でギリギリ30番目に滑り込んだが、今回は9年ぶりにシーズンで2勝して臨む。

 「アップダウンのある一年でしたけど、(ギリギリだった)去年と大違いで、早い段階(7月の日本プロ選手権優勝で出場権獲得)で日本シリーズ出場を決められたのは安心感というか、充実感的には上回る一年。スキル的にも去年よりも良いゴルフができていると思う」

 昨年大会は黄重坤(韓国)を含めた3人プレーオフの末、小平智に惜敗しての2位。選手会長1年目で忙しく、ドライバーショットに苦しんだシーズンを良い形で終えていた。

 「あの時は全体的に悪くなかったからこそ、優勝争いできた。勝てなかったですけど、最後の最後の一打まですごい緊張の中でやれた。プレーオフの内容は悔しかったですけど、72ホール目までは楽しかった」

 東京よみうりCCでプレーは1年ぶり。過去10度の出場で、1勝含めて7度の1ケタ順位。相性は良い。

 「コースはすごく好き。グリーンが速くて、傾斜が強いのが好きなので。コース全体の持っている雰囲気も好き。自分の中で何かやりやすいなというコース」

 今年はここ数年よりも1週間遅い開催時期となる。

 「寒い方が明らかに難しい。寒くなると、コースがすごく長く感じる。風向きによってはパー3もすごく難しいですし。逆に暖かいと、17番がフォローになったりする。結構、気温によってコースの難易度も変わってくる」

 日本シリーズは出場選手が30人。120~140人が出場する通常の大会とは戦い方は異なるのか。

 「人数が少ないからこそ初日、2日目まではあまりトップと離されたくないな、とは思いますね。2日目終わって10位くらいにいられれば、チャンスが出てくるかなという感じですね」

 今季は1ラウンドごとのバーディー獲得率がツアー1位。4・57は08年のプロ転向後、自己最高の数字。迫力のある攻撃ゴルフで観客を魅了してきた。

 「常にそこは意識はしています。ドライバーからパターまでの結果だと思うので。バーディーが取れている内容は悪くはない。再現性をもっと高めていって、バーディー率も高いし、ボギーもたたかないゴルフが理想。バーディーが取れるゴルフが大事だと思う」

 15年大会は4日間、60台を並べて5打差の圧勝で自身初のメジャー制覇。最終18番での歓喜の瞬間が印象的だった。

 「(脳裏に)残っていますね。すごくいい勝ち方ができたので。4日間、安定してプレーできていた。ドライバーとアイアンのつながりがあの週はハマっていた」

 ここ数試合で、アイアンショットが2勝を挙げた夏頃の良い時期のように復調してきた。東京よみうりCCは500ヤード超えの4番と11番のパー4、227ヤードの18番パー3が難関ホールとなる。

 「最近(ダンロップフェニックス、カシオワールドオープン)は200ヤードくらいからのベタピンがあった。200ヤードのセカンドが残るパー4は1日に1、2回だと思うんですけど。その難関ホールでバーディーが取れると、150ヤードからでもすごく楽になる。結構、そこが基準なんだな、と思う。勝っていた時はそこでバーディーが取れていたので。200ヤードくらいのパー3が日本では多い。海外は150、160ヤードが多いですけど。200ヤードのパー3は難しく感じるけど、そこで取れると強いと思うので。自分の中で200ヤードのアイアンというのは、勝つための基準にはなりますね」

 10年ぶりの賞金王返り咲きの可能性はなくなったが、15年大会をともに制した佐藤賢和キャディー(39)と、1年ぶりにタッグを復活させるという。

 「去年(2位)もそうですし、15年も担いでもらって。過去の攻め方やデータも知ってくれているので。本当に楽しくプレーできたら、と思いますね」

 最終戦、日本シリーズの表彰式では大勢のファンの前で選手を代表し、一年締めのあいさつとなる選手会長スピーチがある。

 「ファンの方に直接、選手を代表してごあいさつできるのは光栄なことですし1年間、選手も頑張ってきましたけど、ボランティアとか応援してくださる方もいる。ファンの人やトーナメントに携わってくれている人に対して、ありがとうございます、という場を設けてもらえるのはうれしいです」

 選手会長の任期2年の最終年の最終戦。17年の宮里優作以来、ツアー史上2人目となる選手会長&優勝スピーチを兼ねて行えば、プレー以外でも大会を盛り上げられる。

 「そんなに意識はしていないです。もちろん、そうなれば最高だな、という気持ちはありますけどね」

 ◆石川遼の2019年

 ▽1月 日本ツアー開幕戦のSMBCシンガポールオープンは47位。世界ランク226位

 ▽5月 中日クラウンズ第2R前に「腰痛」で08年のプロ転向後初の棄権

 ▽6月 メジャーの日本ツアー選手権森ビル杯で約1か月ぶりに戦列復帰して20位。世界ランク267位

 ▽7月 メジャーの日本プロ選手権で16年8月以来の復活優勝。ツアー史上最年少の通算15勝目。世界ランク183位

 ▽8月 長嶋茂雄招待セガサミーカップで今季2勝目。世界ランク122位

 ▽9月 パナソニックオープン3位。世界ランクは今季最高の99位

 ▽10月 日米共催のZOZOチャンピオンシップで、2年ぶりの米ツアーに参戦して51位。世界ランク102位

 ▽12月 ホスト大会のカシオワールドオープンで10位。世界ランク113位

 ◆ゴルフ東京五輪への道 男子は20年6月23日時点の世界ランクを基準に算定する五輪ポイント上位60人が出場権を獲得。〈1〉同ランク15位以内は各国・地域で最大4人〈2〉16位以下は〈1〉の有資格者を含み最大2人が出られる。男子は20年7月30日から4日間、埼玉・霞ケ関CCで72ホールストロークプレーの個人戦で競う。1日時点の世界ランクでは松山英樹が1番手の20位、今平周吾が2番手の34位で代表圏内。16年リオ五輪で日本男子は初出場して池田勇太が21位、片山晋呉が54位。