世界水泳が終わり、すぐに始動してから一日も欠かさずチームメンバーとともに練習に励んでいます。ここまで毎日詰め込んで練習をしてきたことは初めてなので、これだけやってきたんだから、という自信を持つことができるようになってきました。

 個人的には世界水泳前はソロに集中する意味もあって、チームでの練習に全部は加われていませんでした。何か引っかかることがあったとしても、それを消化しきるだけの時間もなかったのです。五輪ではチームとデュエットだけになりますから、引っかかっていたところ、こうしたかったというところは、しっかり詰め、向上させていきたいと思っています。

 デュエットのパートナーである吉田萌さんは、井村先生と基礎をマンツーマンで見直してきました。私と吉田さんとでは練習してきたクラブが違うので、考え方や、例えば水をかく時の数え方一つにしても違う。これまで違いに気づいても、じっくりと修正するチャンスがなかなかありませんでした。井村先生からも「ちょっと待っててな」と言われ、個別に練習に励む時間を持ったのです。吉田さんは私の方に呼吸を合わせられるように基礎を磨き、徐々にその成果も表れ始めています。

 世界水泳の時を思い起こすと、若いメンバーたちの醸し出す空気は、まだまだウクライナあたりに及んでいなかったと感じます。緊張や不安はありますが、大舞台の雰囲気や高揚感、井村先生のテンションについてこられず、戸惑いがあったように見えました。「やってやろう」というエネルギーに満ちた戦いに向かう顔になってないなあ、と感じる瞬間が何回かあったのは確かです。

 今後多くの合宿を重ねる中で、演技の精度は当然のこと、戦う顔を作っていくことも、キャプテンとしての務めになると肝に銘じています。ラグビーの選手も年間240日の合宿をされていると聞きました。私たちは、それ以上の300日以上合宿をする計画なので、それも自信に変えて頑張りたいと思っています。

 ◆乾 友紀子(いぬい・ゆきこ)1990年12月4日、滋賀県生まれ。28歳。2012年ロンドン五輪はデュエット、チームとも5位。16年リオ五輪ではともに銅メダル。09年から5大会連続で世界選手権代表。今年はソロで初めてとなる銅メダルをTR、FRで獲得した。滋賀・近江兄弟社高-立命大出。井村アーティスティックスイミングクラブ所属。芦屋大職員。170センチ、53キロ。