東京五輪・パラリンピックが開催される2020年、世界反ドーピング機関(WADA)のトップが変わる。今期で任期満了を迎える英国のクレイグ・リーディー氏(78)に代わり、元陸上選手でポーランドのスポーツ・観光大臣のウィトルド・バンカ氏(35)の新委員長就任が7日、正式に決まった。任期は3年で来年1月から職務に就く。

 ポーランド・カトウィツェで開かれたWADAの理事会。満場一致で第4代委員長に選ばれたバンカ氏は、神妙な面持ちだった。就任あいさつを促されると、「人生で最もかけがえのない日になった。クリーンなアスリートを守るという志で戦ってきた現体制を引き継ぐことを約束する」と、ドーピング撲滅への覚悟を語った。

 バンカ氏は元陸上選手で、400メートルを専門としてきた。競技人生のハイライトを尋ねると、「大阪であった2007年の世界選手権だね」と即答する。当時はポーランド代表として、男子1600メートルリレーに出場。銅メダルを獲得した決勝では控えに回ったが、日本と同じ2組だった予選では2走を務め、日本を0秒47上回る3分27秒39で3着。決勝進出に貢献した。

 今でも当時の興奮は記憶に残っているという。それだけに、日本で五輪が開かれる年に委員長になった偶然を喜ぶ。「自分の今があるのも、大阪での大会のおかげ。日本への感謝の思いは常に心の中にある」。