(ラグビーW杯決勝、南アフリカ32―12イングランド)

 イングランドの誤算は26歳のプロップ、シンクラーの開始早々の交代だった。味方同士で頭を打ってスクラムの支柱が退き、南アフリカにことごとく押し込まれた。突破力と器用さを兼ねる存在だっただけに、エディ・ジョーンズ監督は「試合に大きな影響があった」と悔しがった。

 セットプレーの重みが増す決勝。スクラムの反則からPGを重ねられ、ラインアウトでもなかなかバックスに好球を出すことができなかった。ボール保持率は56%と上回ったのに、球を持って進んだ距離は南アの半分以下の173メートル。準決勝のニュージーランド戦で見せた勢いを再現することはできなかった。

 「いい準備はできたと思う。なぜうまくいかなかったかは分からない。今日がいい日ではなかった、ということだ」とエディ監督は苦笑いを浮かべた。シンクラーのほか、21歳のカリー、23歳のアンダーヒルの両フランカーら自身が引き上げた若手が躍動した今大会。4年後の覇権奪還へ、ラグビーの「母国」の基盤は築かれた。(野村周平)