2020年東京五輪の準備状況を確認する国際オリンピック委員会(IOC)調整委員会が30日、東京都内で始まった。IOCのほか大会組織委員会や東京都などが、IOCが「最終決定」としているマラソン・競歩の札幌開催について来月1日まで議論する予定だ。

 会議の冒頭で、IOCのジョン・コーツ調整委員長は「マラソンと競歩を札幌で行うことを決定し、東京都の小池百合子知事やメディアにも説明した。さらなる説明が必要なら、時間をかける準備ができている。東京の理解を得ずに日本を離れたくない」と話し、11月1日に国、都、組織委、IOCの4者協議を開くことを提案した。

 その後、組織委の森喜朗会長が「1年をきった段階での札幌案発表に、多くの関係者が驚いた。暑さ対策は最重要課題として取り組んできた。アスリートファーストの考えはよくわかるが、IOCには理解を得るための努力をお願いしたい。大会まであと9カ月、納得できる結論を出すことが重要だ」と求めた。

 小池氏は「招致が決まってから様々な準備をしてきた。IOCのバッハ会長も称賛していたのに、その2週間後に札幌案が発表された。開催都市には説明もなく、大変な衝撃を受けた」と指摘。「東京の人が納得する説明を、IOCには求めたい。都民の代表としては、マラソン・競歩の東京開催を望みたい。お互いの信頼なくして、大会の成功はない」と改めて主張した。

 マラソンの開催場所をめぐっては、都の小池氏が25日の定例会見で、競技の開始時間を前倒ししての東京開催について言及。同日に小池氏と会談したIOCのコーツ氏が札幌移転を「最終結論」と強調してもなお、東京開催を主張する姿勢を崩していない。

 ただ、五輪憲章は競技会場の選定についてIOC理事会の裁量を広く認めている。都は五輪招致時に交わしたIOCとの契約で「憲章を順守する」としており、東京開催については「受け入れられる可能性はほぼない」との見方が都側にも強い。