現在世界ランキング3位の大坂なおみ(日本/日清食品)が、2020年の東京オリンピックへ日本人選手として出場するため、日本国籍を選択したと米紙Washington Postが報じた。日本人の母と…

現在世界ランキング3位の大坂なおみ(日本/日清食品)が、2020年の東京オリンピックへ日本人選手として出場するため、日本国籍を選択したと米紙Washington Postが報じた。

日本人の母と、ハイチ系アメリカ人の父を持つ大坂は、日本で生まれ、3歳の時に家族でアメリカへ移住している。現在の日本の国籍法では、大坂のように二重国籍の場合、22歳に達するまでにいずれかの国籍を選択しなければならない。そのため、16日に22歳の誕生日を迎える大坂の国籍選択が注目されていた。

大坂はNHKの取材に対し、出生国である日本の選手として日本で行われるオリンピックに出場することは「特別な願望」であると話しており、「日本代表としてオリンピック出場を目指すことは、スペシャルな気分。国の誇りのためにプレーすることは、よりエモーショナルに感じると思う」と語った。

前年の「全米オープン」に続いて今年の「全豪オープン」で優勝し、2つのグランドスラムタイトルを獲得している大坂。WTAツアーの大会や「フェドカップ」にはすでに日本国籍で出場している。大坂は「オープニングセレモニーなど、オリンピックのすべてが楽しみ。参加させていただけるだけで、ものすごく光栄なことだと思う」と、国際オリンピック委員会が運営するオリンピックチャンネルのインタビューでコメントしている。

大坂は、先日「チャイナ・オープン」で、現在世界ランキング1位のアシュリー・バーティ(オーストラリア)を破り優勝。その前の大会である「東レ パン・パシフィック・オープン」に続き2大会連続で優勝し、世界ランキングを3位まで戻している。大坂のもとには日本企業からも多くのスポンサー依頼があるが、彼女の母親は「日本国籍選択に関してそういった金銭的な理由は一切ない」と話している。

「私たちは、なおみが日本国籍を選択して日本選手としてプレーしていくことを早い段階から決めていました。彼女は大阪で生まれて、日本とハイチの文化を持った家族の一員として育ちました。ですから、なおみも、姉のまりも、常に自分は日本人だと感じていたので、単純にそれが(日本国籍選択の)理由です。スポンサー契約金などの金銭的理由では決してありませんし、選択の上で気持ちが揺らいだこともありません」と、大坂の母、環さんは約1年前に米紙Wall Street Journalに語っている。

日本テニス協会によると、日本代表として2020年の東京オリンピックに出場する要件を満たすために、大坂は来季の「フェドカップ」にあと1回出場する必要があるとのことだ。

(テニスデイリー編集部)

※写真は「チャイナ・オープン」での大坂なおみ

(Photo by Lintao Zhang/Getty Images)