「セCSファイナルS・第3戦、巨人6-7阪神」(11日、東京ドーム)

 チームを救い、虎党の望みをつないだ。阪神・近本光司外野手が勝利への執念をむき出しにし、高めの直球に食らいついた。嫌な空気を一気に取っ払った鋭い打球が、右翼線を破った。一時逆転となる満塁走者一掃の3点三塁打。左翼席からの大歓声とともに三塁に達したルーキーは、高々と右拳を掲げた。

 「冷静な部分もありましたけど、気持ちが高まっていたというのはあった。2アウト満塁というのは分かっていたんですけど、何点差というところまでは正直、考えられなかった」

 劣勢ムードから一変、仲間がつないで宿敵を追い詰めた。五回、1点差に迫ってなおも2死満塁。雑音をかき消して打席に集中した。巨人3番手・高木の真っすぐを迷わずフルスイング。最高の形で試合の流れを引き寄せた。

 セ・リーグ新人記録の159安打を放った近本のバット。だが、CSファイナルSでは、なりを潜めていた。疲労の蓄積は否めないが関係ない。「疲れている中でも、結果を残さないといけない。レギュラーとして戦い続けている選手はそれができている人なので」と、ベストを尽くすことだけを常に意識してきた。

 負けられない戦いで、目覚めた猛虎の韋駄天(いだてん)。近本の一打なしに、激勝はなかった。