◆2019 セノン クライマックスシリーズ・セ 最終ステージ第3戦 巨人6―7阪神(11日・東京ドーム)

 日本シリーズ進出に王手をかけている巨人は、阪神に1点差で敗れ、対戦成績が3勝1敗(アドバンテージの1勝含む)となった。1点を追う3回に岡本の2点二塁打で逆転し、阿部もCS初打点をマーク。しかし5回、一挙5点を失って逆転された。その裏、岡本の中越え2ランで追い付いたが、9回、中川が大山に決勝ソロを浴びた。台風19号の影響で、第4戦は12日には行わず、13日に順延となっている。

 高く舞い上がった白球は、ため息がこだまする右翼席最前列に飛び込んだ。中川はグラブをたたき、悔しさをあらわにした。6―6で迎えた9回。大山に痛恨の勝ち越しソロを許した。CS初黒星を喫し、原監督は「9つの四死球というのはね。それではやっぱり守るのは難しいね」とセCSワーストとなる9四死球と乱れた投手陣を叱咤(しった)した。

 快勝ペースが、一気に暗転した。誤算は“第2先発”の桜井だった。全く制球が定まらない。マウンドに上がった4回、1安打と2四球で背負った満塁の危機は脱したが、リードを3点とした5回に自滅した。先頭から3者連続四死球を与えて降板。「久しぶりの救援でいつもと違う力みが出てしまった。流れをつかめず、そのまま行ってしまった」と猛省した。代わった高木が高山、梅野に適時打、近本にも満塁走者一掃の三塁打を浴び、この回一挙5失点。逆転を許した。

 CS最終Sから戦うリーグ覇者が、投打に対応しなければいけない課題が実戦勘。桜井は9月22日のヤクルト戦(神宮)を最後に、対外試合としては中18日と間隔が空いていた。その間、3日の紅白戦で3イニングを投げたが、原監督は「実戦を想定した練習をしていたのか。していなかったということでしょうな」と厳しく指摘。大型の台風19号接近の影響で、当初先発予定だった12日の試合の中止が10日試合前に決まり、そこで急きょ、この日の第2先発という役割が決まった。難しい調整を強いられた事情もあるが、1回0/3を1安打5四死球3失点は残念だ。

 打線に目を移せば、ここ3試合で上位打線は好調を維持する一方で、下位打線に元気がない。「7、8番、その辺がこの3戦は(力を)発揮していない」と原監督。この日、7番は田中俊。同点の5回1死二塁、7回2死一、三塁という勝ち越し機で凡退。当てに行こうとした打撃に映った指揮官は、試合中にベンチで「大きな試合になれば、小手先の野球は通用しない。丹田に力を入れた状態で野球をすることが大事」と助言を与えた。へそ下3寸の「丹田(たんでん)」と呼ばれる“体の中心”を意識し、強く振り抜くことを求めた。

 反省はしても、悲観する必要はない。まだ絶対的優位は変わらない。試合が中止となった12日は非公開で調整する予定。「一日しっかりまた準備して、明後日に備える」と切り替えを強調した原監督。試合勘を取り戻せば、それは上積みになり、シーズンでも修正と対応を繰り返して頂点に立った。その不変の姿勢で、次で決める。(西村 茂展)