広島・佐々岡真司監督(52)が11日、海外FA権を保有している長野久義外野手(34)に残留ラブコールを送っていたことを明かした。巨人にFA移籍した丸の人的補償で今季から加入したベテランは経験も実績も豊富で、新政権でも必要不可欠な存在。この日、長野と初めて残留交渉を行った鈴木球団本部長も、誠意を尽くして慰留する方針を示した。

 佐々岡監督は熱い思いを行動で示していた。マツダスタジアムでの秋季練習3日目を終え、帰路に就く直前。海外FA権を保有している長野について問われると「『一緒にやろう』という話はしました。僕の気持ちは伝えました」と、この日までに残留を願う意思を伝えていたことを口にした。

 長野は今季、巨人にFA移籍した丸の人的補償として加入。国内FA権は2016年に、海外FA権は18年に取得している。この日までに態度を表明していないが、佐々岡監督が描く2020年V奪回構想には欠かせない存在だ。指揮官は今季国内FA権の資格取得条件を満たした菊池涼や野村、前日10日に残留表明した会沢にも来季残留を要請したように、指揮官としての思いを伝えてきた。

 長野は今季72試合に出場し、打率・250、5本塁打、20打点ながら、9月は全18試合にスタメン出場して打率・313、3本塁打、12打点と力を発揮。夏場に約1カ月半過ごした2軍では、プレーでも人間性でも若手や外国人選手に好影響を与えてきた。秋季練習にも自主的に参加して汗を流すベテランへの期待は大きい。

 球団としても慰留に努める姿勢だ。この日の練習後、鈴木本部長は長野と1回目の交渉を行った。「お互いの気持ちを話した。『時間をかけて話をしよう』としている」と今後、数回に渡って交渉していく方針。その中で「うちで楽しい野球生活をしようよ」と語りかけたことも明かした。

 長野は帰りのタクシーに乗り込む際の駐車場で、取材に応じている鈴木本部長から「一緒に戦おう」と呼びかけられると、笑みを浮かべた。首位打者や最多安打など多くのタイトルを獲得してきたベテランは、果たしてどんな答えを導き出すのか。膝を突き合わせて言葉を重ね、熟考する。