選手らにパワーハラスメントを繰り返していたとして、JリーグがJ1湘南の曺貴裁(チョウキジェ)・前監督に下した「5試合の出場資格停止」の処分が軽すぎるのではないかと議論を呼んでいる。Jリーグ以外の指導者が同様のパワハラ行為をした場合は、日本サッカー協会の懲罰規定で裁かれ、少なくとも1年の活動停止など、より重い処分が出ていたことが想定されるからだ。

 今回の処分はJリーグ規約に基づいて裁定された。Jリーグの監督や選手が対象の場合は、事実関係の調査から処分までJリーグが行い、日本協会は干渉しないことが、協会の懲罰規定に定められている。

 Jリーグの村井満チェアマンは処分について「内規に照らし合わせた。重いものだ」と話している。しかし、調査報告書で認定されたパワハラ行為を協会の懲罰基準に当てはめると、少なくとも「1年間の活動停止」以上にあたると見られる。高校などアマチュアチームの指導者が対象なら、プロの曺氏よりもずっと重い処分が出ていたことになる。

 10日、指導者資格を認定している日本協会は臨時の技術委員会を開き、曺氏の資格の取り扱いについて協議に入った。協会が懲罰を加えることはできないが、技術委には「指導」の名目で注意や資格降級、資格失効などの裁量が与えられている。関塚隆技術委員長は「我々は(処分の)裁定をする立場ではない」としているが、本人から聴取の上、来月にも結論を出す考えだ。(潮智史、勝見壮史)