◆カタールW杯アジア2次予選 日本6-0モンゴル(10日、埼玉スタジアム)

 森保監督の采配が的中した。それは起用面よりも指示にある。FW大迫を欠いた一戦。縦に向いてたボールが、横、または斜め前に変わった。中へのカットインが三度の飯よりも好きそうなMF中島はタッチラインに沿った。1トップのFW永井は相手を背負うポストプレーはみられず、代わりにMF伊東が右サイドを切り裂く。サイドから多くの得点が生まれた。

 モンゴルはFIFAランク183位。勝って当然のさらに上、快勝して初めて満足できる。でも、思い出してほしい。ハリル・ジャパンはロシアW杯アジア2次予選開幕のシンガポール戦(15年6月16日・埼玉)で0-0。当時154位でモンゴルと大差はない。得点できなけば、ホームの期待や声援はたちまち重圧に変わって、焦りを生む。そして穴に落ちた。

 4年前の悪夢を「あの空気感はもう二度と味わいたくない」と言ったDF酒井は得点につながらずともサイドを駆け上がり、「反省を生かさないといけない」というDF吉田は得点を記録した。ブレずにサイド攻撃を遂行する姿には、失敗から学んだ経験と、指示を出した指揮官に対する選手の信頼が浮かび上がる。

 それに加え、ボールを奪われた後の素早い対応は90分間遂行された。記録が残る98年以降で史上初(本紙調べ)の被シュート0本の「完全試合」。パスを散らしたMF柴崎は「一つまた計算できるオプションができた」と手応えを口にした。「相手に合わせることなく挑んでいく。チームを成長させることによく選手がトライしてくれた」と森保監督。後半にはDF安西、FW鎌田らの新戦力を試す展開を作っての開幕2連勝。勝ったことを評価する相手ではないが、勝ち方は完璧だった。(内田 知宏)