選手・スタッフへのパワーハラスメント行為が認定されたサッカーJ1湘南の曹貴裁(チョウ・キジェ)監督(50)が退任することが決まった。スポーツ報知では「湘南・曹監督パワハラ辞任 検証」と題し、サッカー界に衝撃を与えたJリーグ初の事案について、3回にわたり緊急連載する2回目。

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 「ご心配かけますけど、信じてください」。曹氏自粛決定後の8月17日、サポーター向けのクラブカンファレンス。サポーターから「(パワハラは)あってはならないこと。謝って済むなら会長と社長が謝ってください」と訴えられたが、真壁潔会長はこう強調した。

 集まった約600人からは拍手が沸いた。だが、結果はパワハラ認定。会長自身も調査報告書で「不適切な言動を相当程度認識し、練習に参加できなくなった選手や出勤できなくなったスタッフがいたことも認識、または認識し得た」と断定された。

 8月11日、Jリーグが調査を行う事実を確認した本紙取材に、会長は「現時点で調査が入るという情報は聞いていない」、広報責任者も「そういう事実は全くなく、クラブ内で問題にしていることもありません。曹さんの指導法の何を知っているんですか?」と否定した。だがJリーグの発表により、7月の段階で、8月中旬から調査が入る連絡がクラブに伝わっていたことが判明。会長は「粛々と調査を待っていたところ、12日に一部メディアから記事が出た」と発言を一転させている。

 またクラブは、パワハラ認定後に曹氏続投を願う筆頭株主の声明を公式HPで紹介し、クラブ内処分を科さずに現場復帰を要請。認定後初陣の川崎戦の試合前には、真壁会長がサポーターに対して「悲しみを乗り越えていきます」と宣言。いずれも問題意識の希薄さが見え隠れする言動だ。関係者によると、今回の一件を受けてスポンサー離反の動きもあるという。一連のクラブの対応の甘さは、サポーターやスポンサーの混乱を招いた。(特別取材班)