広島・会沢翼捕手(31)が10日、今季取得した国内FAの権利を行使せず、広島残留を表明した。今季年俸の9200万円から大幅増となる3年6億円プラス出来高(推定)で基本合意。選手会長はマツダスタジアムで会見を開き、球団への愛着、残留を願うファンへの感謝を語った。

 男気にあふれる会沢が思わず感極まった。会見の終わり、ファンへメッセージを求められたときだ。「ファンの皆さんには手紙もたくさんいただきましたし…」と言うと、言葉に詰まった。「熱い声援も…これからまたしてくれると思います。またファンの皆さんと一緒に喜びを分かち合えるように、必死になって頑張っていきたいと思います」と目いっぱいの感謝を述べた。

 球団の誠意に即決で応えた。シーズン中から鈴木球団本部長と話し合い、5日の交渉後に「なるべく早く決められたらいい」と早期決着を明言。6日には佐々岡新監督から「力が必要だ」と直接電話で慰留され、「影響?間違いなくあります」と心を揺さぶられた。

 球団への愛着と感謝に加えて家族の存在も大きかった。愛娘2人は「広島が好き」と口をそろえ、愛妻からは「あなたに任せます」と決断を委ねられた。

 「そこが1番悩みましたけどオヤジの勝手な都合でね、子どもに迷惑はかけられない」

 プロ13年目の今季は自己最多126試合に出場し、初めて規定打席に到達した。得点圏打率・351はリーグトップで、シーズン12本塁打は自身の、昨年の13本(球団捕手最多)に続く記録であり、63打点もキャリアハイだ。この秋は侍ジャパンに招集され、球界を代表する捕手の地位を築き上げた。

 「無名でね、どこの誰だか分からない僕を指名してくださって、2軍でしっかり鍛えていただいて…。ここまでの選手になれたのはカープのおかげです」

 佐々岡新体制で戦う来季へ、会沢の残留は何よりの朗報だ。松田オーナーは「ありがたい。来年もチームの支柱になってほしい」と期待。鈴木球団本部長も「良かった。3年契約だけどうちは40歳ぐらいまでやるからね。死球が多いので気をつけてほしい」と“生涯契約”まで口にした。

 選手会長は「今年は悔しい思いをした。しっかり反省して、監督と共にもう一回リーグ優勝を目指していきたい」と力強い決意表明で会見を締めた。扇の要として、佐々岡新監督を胴上げする。