◆2019 セノン クライマックスシリーズ・セ 最終ステージ第2戦 巨人6―0阪神(10日・東京ドーム)

 高々と舞い上がった打球は長い滞空時間を経て左翼席へと着弾した。ゲレーロは大歓声を浴びると右拳を強く握った。「いいコンタクトができたいいホームランだった」。1点リードの4回無死二塁。ガルシアの真ん中に入ったスライダーを2ランに変え、虎を突き放した。

 大好きな「アベサン」と1試合でも多く―。今季限りで現役引退する阿部には感謝しかない。1打席目は二ゴロに倒れベンチに戻ると阿部から「とにかく上に、フライを打て!」と助言を受けた。その言葉を胸に臨んだ2打席目で見事結果を出した。ベンチに戻ると「しっかり自分の打球が放てた」と報告。自分のことのように喜び、手荒いハイタッチを受けた。「ずっと一緒にプレーしたい」。日本一という最高の花道を飾り、恩返しするつもりだ。

 CS最終Sの対戦相手が阪神に決まった時から助っ人砲のやる気はみなぎっていた。「俺はタイガースとの対戦が一番燃えるんだよ!」。シーズンでは対阪神に打率2割8分6厘、3本塁打、12打点と特別得意にしているわけではない。ただ、令和初のCS最終Sが「伝統の一戦」となったことに興奮しているのだ。「絶対ホームランを打ってやる」と宣言していたが、有言実行の完璧な一撃だった。

 お立ち台で「明日決められるようにみんなで頑張って、日本シリーズに行きたい」と宣言した。G党のため、大好きな「アベサン」のため、日本一に向けて全力で突っ走る。(小林 圭太)