◆W杯アジア2次予選 日本6―0モンゴル(10日・埼玉スタジアム)

 FIFAランク31位の日本代表は、同183位のモンゴル代表に6―0で大勝し、W杯アジア2次予選開幕2連勝を飾った。不動の右MFだった堂安律(21)=PSV=に代わり先発したMF伊東純也(26)=ゲンク=が3アシストで、負傷中のエースFW大迫勇也(29)=ブレーメン=の穴を埋める活躍。前半22分のMF南野拓実(24)=ザルツブルク=の先制点など3発をお膳立てし、森保ジャパン最多得点の起爆剤となった。日本は15日に勝ち点6で並ぶタジキスタンと敵地で対戦する。

 森保ジャパンの“フェラーリ”が、自慢のスピードで右サイドを制圧した。伊東は前半22分、DF酒井の縦パスに素早く抜け出し、南野の先制点を演出。同33分には南野とのワンツーからDF長友の3点目、同40分には浮き球でFW永井の4点目と、全て右からのクロスでお膳立て。6月の親善試合エルサルバドル戦(2○0)以来、W杯予選は初先発で、圧巻の3アシストを見せつけた。

 「新BIG3」の一角・堂安と、18歳でスペイン1部でプレーする久保を差し置いて右MFに抜てきされた伊東は、「なるべくサイドで受けて、いい形で抜け出せた。クロスもほとんど思った所に蹴られた」。2人にはない武器を見せての覚醒に、森保一監督(51)も「高いレベルで戦っている自信を今日のゲームでプレーに表してくれた」と、脱帽した。

 ベルギーでは今季、リーグ2位の5アシストを記録。欧州CLも経験し、「強い相手でも通用する自信がついた。でも、逆サイドからのクロスに詰めて決めたりして得点できていればもっと怖い選手になる」と、理想は高い。

 日本屈指の快足ドリブラーの武器は“体の硬さ”にある。昨年まで所属した柏のメディカルスタッフで、国立スポーツ科学センターで器械体操の日本代表選手を担当した経験がある小林直行氏(43)は語る。体操リオ五輪団体金の白井健三(日体大)と同様、伊東の筋肉は柔軟性が高くなく、硬いが「張力が低くてゆるゆるのバネより、硬いバネの方が伸びた時の反発力が強い」。力を蓄えて一気にエネルギーを爆発させる強さが、一瞬の加速力の源になっている。

 FW大迫は得点以外にも、前線でボールを収めて時間をつくり、中盤でチャンスメイクもする万能型。代わりはいない。大黒柱が不在の中で前線に並んだ伊東が“半端ない”スピードで右サイドを突き、ゴールを演出。格下のモンゴル相手ながら、W杯予選の舞台で新たな得点パターンでゴールを量産した。森保ジャパンは、大迫がいない穴を埋めて余りあるオプションを手に入れた。(星野 浩司)

 ◆伊東 純也(いとう・じゅんや)1993年3月9日、神奈川・横須賀市生まれ。26歳。逗葉高から神奈川大に進学。関東大学リーグ2部で2013年に得点王、14年にアシスト王。15年に甲府入団し、16年から柏へ。J1リーグ通算131試合23得点。19年シーズンからベルギー1部でプレー。17年に日本代表デビューし、16試合2得点。176センチ、68キロ。