◆2019 セノン クライマックスシリーズ・セ 最終ステージ第1戦 巨人5―2阪神(9日・東京ドーム)

 フルスイングに導かれた打球は、バックスクリーン左へ吸い込まれた。球場中に独特の緊張感が漂う中、丸が最高の形で先取点をもたらした。初回2死。フルカウントから望月の152キロ直球を捉え、CS1号ソロを放った。「最高のスイングができたと思います」。CS弾は3年連続、最終S初戦アーチは2年連続だ。

 直前に無死一塁から坂本勇が併殺打に倒れていただけに、「3人で終わると流れ的にも嫌な感じになってしまう。結果的に勢いに乗っていけたと思うし、自分自身も1打席目で打てたことはビックリしています」。直後の岡本のソロにつなげ、初戦勝利をたぐり寄せた。

 どっしりと構え、堂々と戦いに臨んだ。3連覇中の広島から加入したこともあり、受けて立つ側のCS最終Sは4年連続。決戦を前にフリー打撃を終えると、シーズンと同じようにバットを丁寧に磨きながら、短期決戦でも変わらぬ姿で戦う決意を示していた。

 「短期決戦だからといって、1球の重みだったりに自分を縛られたくない。やれることは限られているので、やりきるだけ。準備はしっかりできたので、後は自分を信じてやります」

 シーズン終盤はやや調子を落としていたが、CSまでの調整期間で、普段は行わないロングティーを行い、バットの軌道をタテ振りに修正。さらに、開戦直前の8日に、バットの材質をホワイトアッシュからハードメープルに変更した。柔らかくしならせて打つことができるものから、打球を強くはじくことを求めて、より硬い素材にした。練習では逆方向の左翼席中段まで運ぶなど効果を実感。手への衝撃を吸収するためグリップ部分にテープを巻くなど、最善の準備を続けてきた。原監督も「練習の時から非常によく、練習通りの打撃ができたというふうに僕は見ましたね」とたたえた。

 日本シリーズ進出をかけたCS、プレーオフで2勝0敗とした過去22度(両リーグ)で、敗退したのは17年の広島だけ。シリーズ進出確率は95%だ。山口、岡本と上がったお立ち台では、「あしたも勝てるように“岡本さん”と一緒に頑張っていきたいと思います」と声を張り上げ、最後まで球場を沸かせた。7年ぶりの日本一へとつながる戦いは、最高の形で幕を開けた。(後藤 亮太)