<パ・CSファイナルステージ:西武4-8ソフトバンク>◇第1戦◇9日◇メットライフドーム

ソフトバンクが西武とのCSファイナルステージ第戦を逆転で制し、1勝1敗のタイに持ち込んだ。工藤公康監督(56)の勝負手がズバリはまった。

8回、内川に代えて打席に送った長谷川勇が同点打。3試合ぶりにスタメンに置いた松田宣が先制打を放ち、代走の周東が西武のバッテリーミスの間に決勝のホームを踏むなど、巧みな采配を見せつけた。リーグ2位に甘んじたタカ軍団だが、日本一への挑戦権は譲らない。

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1点を追う8回、工藤監督はCS男の内川に代打・長谷川勇を送った。2死一、三塁。一塁にはすでに代走・周東を起用。長谷川勇は遊撃手の頭上を越す同点の左前適時打。「やるかやられるかと思っていたので、気合で打ちにいった。いい所に飛んでくれた」。今季はほぼファーム暮らしだった打撃職人が、抜群の集中力を発揮した。

続くグラシアルの初球に森が捕逸。アウトのタイミングでも周東が本塁へ滑り込み、焦った森の悪送球を誘って決勝のホームを踏んだ。俊足を買われ、代走としてプレミア12の日本代表に選ばれた。「日本中が僕の走塁に注目することになる。絶対大事な場面になるし、やばいですよ」とプレッシャーを感じていたが、この日は「捕手がはじいた最初は距離感が分からなかったが、(三塁コーチの)村松さんが『行け』と言ったので信じた。あそこしかない」と、CSという大舞台でも躍動した。

工藤監督は「内川は今日、少しタイミングが合っていなかった。相性もあった。長谷川勇が追い込まれながらよく打ってくれた。周東のベースランニングもナイス」とほめた。この日はCSファースト第2戦から2戦連続で外していた松田宣を5番で起用。早出特打の成果もあり、出番に飢えた熱男が、初回に右中間へ先制2点適時二塁打。9回にも2点適時打と大活躍した。工藤監督は「見事に悔しさを結果に結びつけてくれた」とベテランに最敬礼だ。

逆転勝ちで、第2戦の先発を試合終了後に武田に代えた。負けたら千賀を投入する考えだったが、エースにはさらに1日の休養ができた。王球団会長が「CS男(の内川)にね…。この前から監督の勘、采配が光っているからね」と勝負手をバシバシと決める工藤監督の手腕に驚く。工藤監督は「僕自身、後悔しないように」と腹をくくってCSに臨んでいる。短期決戦の鬼が、今年も日本シリーズまではい上がりそうだ。【石橋隆雄】

▼公式戦2位のソフトバンクが勝利。日本シリーズ進出をかけたプレーオフ、CSで1勝1敗に追いついたのは延べ14チーム目。過去13チームのうちシリーズ進出は75年阪急、04年西武、10年ロッテ、14年阪神、18年ソフトバンクの5チームで突破率38%。