「セCSファーストS・第3戦、DeNA1-2阪神」(7日、横浜スタジアム)

 魂の12球がチームに勝利を呼び込んだ。阪神・北條の痛恨エラーで同点となり、なおも1死満塁の七回。9割以上がブルーに染まる球場が異様な盛り上がりを見せる中、マウンドに上がったのはドリスだった。

 絶対に勝ち越しを許してはならない緊迫の場面。柴田に対してカウント3-1とすると、押し出しをあおるようにDeNAファンが沸く。3球ファウルが続いてフルカウント。ここで金村投手コーチが「あれはドリスじゃないと投げきれない」と絶賛した142キロの沈むスプリットで空振り三振を奪った。

 「アウトなら何でもよかったんだけどね。一番自信のある球で打ち取ることができてよかったよ」。殊勲のドミニカンは空振りを奪ったシーンを振り返りながら胸を張った。続く代打・佐野も中飛に仕留めると、沸きに沸くベンチへと胸を張って戻る。

 「四球も許されない状況。自信を持って力強い球をストライクゾーンに投げることだけを考えていた」

 しびれる場面で登板した心境を振り返ったドリスは「エラーは野球に付きものだけど、助け合うことができてよかった」と失策を犯した北條をかばった。大逆転を決めた初戦に続いて勝ち投手となり、ファーストSで2勝。この存在は頼もしい限りだ。