(7日、プロ野球CS第1ステージ ソフトバンク2-1楽天)

 「えっ。そこに飛んでいく?」。自らも驚いた打球が、左翼席へ飛び込んでいく。高々と右のこぶしを突き上げた。ソフトバンクの内川が、チームを最終Sへ導いた。

 同点の七回。先頭で打席を迎えた。楽天の宋家豪の代わりばな、カウント1-1からの3球目、139キロのチェンジアップをとらえた。「狙ってではなく、来た球に一生懸命バットを出した。一瞬、何が起こったか分からなかった」

 だからか、ベンチに戻ると仲間との喜び方はいつも以上。「久しぶりに、興奮で頭が痛くなるくらい。野球人生の中でも、印象に残るであろう本塁打」

 先取点を取られた直後の四回、同点打を放ったのもこの37歳だ。2死からの連打で作った一、二塁の好機。相対した岸は、シーズン中に打率8割5分7厘、2本塁打と打ち込んでいた。データ通りに右前へ適時打を運んだ。

 ポストシーズンに、めっぽう強い。この日の一発で、CS最多となる通算10本塁打。11、15、17年は、CSの最優秀選手にも輝いている。今年も3戦続けて安打、2本塁打だ。CSになぜ強いかを問われ、「なんなんでしょう。分かってたら、レギュラーシーズンも打ってるんだろうけど」。

 初戦を落とし、崖っぷちに立たされた第1S。それでもベテランの力で、2試合続けて逆転勝ち。勢いに乗って、パ・リーグ王者の西武への挑戦権を得た。(藤木健)