◆明治安田生命J2リーグ第35節 金沢2―3甲府(6日・石川西部)

 ヴァンフォーレ甲府が、金沢に3―2で逆転勝ちし、7月13日の愛媛戦以来、約2か月半ぶりに昇格プレーオフ圏内の6位に再浮上した。前半28分にFW佐藤和弘(29)が古巣相手に先制点を決めたが、PKなどで連続失点し、前半は1―2。だが後半4分と30分にエースストライカーのFWピーター・ウタカ(35)が同点弾、逆転弾を連発し、試合をひっくり返した。

 前半のうちに逆転を許して迎えた後半の4分。ヴァンフォーレの頼れる背番号9の右足がさく裂した。右ウィングバックのMF田中佑昌(33)から、意表をついたアーリークロス。ウタカは相手DFよりも早く反応すると、相手GKとの1対1の場面から確実に決めた。

 そして圧巻の決勝ゴールが生まれたのは後半30分。ゴール正面でボールを受けると、コントロールしながら反転し、右足を豪快に一振り。約20メートルのスーパーミドルシュートを、金沢ゴールネットに突き刺した。

 「キャリアでトップ10に入る? 200点以上決めているから覚えていないけど、最高のゴールの一つだね。あのようなミドルシュートは、あまり打たないから」と満足そうに振り返った。

 前節の山形戦ではコンディションなどの問題で、後半25分に途中交代。先発した試合では3番目のプレー時間の短さでピッチを去った。そして交代で投入されたFW金園英学(31)が決勝ゴールを決め、勝利の立役者となった。「(前節の交代は)監督の当然の判断。チームが勝てばそれでいい」とウタカは平然としていたが、伊藤彰監督(47)は「(ウタカは)相当メラメラと燃えていたと思う。ポジションを渡さないという姿勢が見えた」と、プライドをかけて2発を決めたエースを賞賛した。

 アウェー連戦で勝ち点6を手にした。順位も約2か月半ぶりに、昇格プレーオフ圏の6位に戻した。「上位の背中が見えてきた」と伊藤監督。残る7戦のうち、上位相手は京都戦(11月4日)だけ。格下から確実に勝ち点3をもぎ取り、1つずつ階段を上がっていくことがこれからのミッションとなる。「残留争いのチーム相手では難しい面もあるが、我々のほうが士気は高い」と指揮官。逆転自動昇格へ向け、白星街道でシーズンラストまで突き進む。(西村 國継)